はじめに
「社会的失言検出課題」の例です。
正式な検査ではなく、数をこなして練習できるようあくまで例題です。
といった内容をご理解の上で例題に目を通していただけると理解が深まると思います。
問題文
ミホは大学受験をする高校生です。
恋人であるヒロシと大学は異なりますが、ミホには行きたい大学がありました。
ヒロシはすでに第1志望の大学の合格が決まっています。
ミホもすでに、滑り止めとして受けた2つの大学には合格しています。
数日後、第1志望の大学の結果がわかりました。
ミホは第1志望の大学には不合格でした。
受験の結果を、ミホはヒロシに話しました。
「それは残念だったね」ヒロシは言いました。
「うん。合格している大学の、どちらに行くか少し考えようと思う」ミホは言いました。
質問
①気まずいことや言うべきでなかったことを言った人はいますか?
「いる」場合、以下の設問にも解答します。
②気まずいことを言った人は誰ですか?
③なぜそれを言うべきではなかったのでしょう?
④なぜその人はそのように言ったと思いますか?
⑤その人は何を知っていて、何を知らなかったですか?
⑥相手はどのように感じましたか?
答え
①いない(いないため、以下の設問は省略)
解説
受験に落ちた人に対する言葉かけというのは難しいものです。
ヒロシの場合は相手の気持ちに共感するような言葉かけを行っています。
ミホも前向きな話をしています。
互いにやや言葉数の少ない会話ですが、なんでもたくさん言葉をかければいいというものではありません。状況によっては、相手の心情を汲みながら言葉を少なくすることも大切です。
もしここでヒロシがたくさん言葉を尽くしすぎていたら、ミホは疲れてしまったかもしれません。受験に落ちてショックだったことは、本人が一番わかっているわけです。
相手が落ち込んだりしているときは、たくさん相手を励ますより、言葉を選びながらまずは相手の気持ちの状態を察することに努めたほうがいいときがあります。