フードテスト(FT)とは?
食べることや飲む込むことに障害があることを摂食嚥下障害と言います。
フードテストは摂食嚥下障害に関する検査です。
フードテストはその名の通り、食べ物を実際に食べてもらいその様子を評価する検査です。
摂食嚥下障害におけるスクリーニングテストに位置づけられます。
フードテストは改訂水飲みテストと合わせて行われることが多いです。
フードテストの意義
水飲みテストは特別な器具も必要なく、すぐにできるスクリーニング検査です。
しかし水飲みテストは30mlの水を飲んでもらうためあきらかなムセがある人には危険も伴います。
そこで少量の水の嚥下で評価ができる改訂水飲みテストができました。
ただし摂食嚥下障害のリハビリにおいて、食物と水分は同じものとしてとらえることはできません。
水分とは別に、実際の食物での反応はどうか見るためにできたのがフードテストです。
改訂水飲みテストとフードテストを実施することで、水分と食物の両方のスクリーニング検査ができます。
水分も食物も誤嚥する。
水分はむせるが食物はOK。
水分も食物もむせずにOK。
など物質によって嚥下の状況を把握することはきわめて重要です。
フードテストの実際
実施方法
3~4gのプリンを実際に食べてもらいます。
3~4gはおおよそティースプーン1杯に相当します。
この3~4gのプリンをスプーンで一度に口に入れ、食べてもらいます。
食べた後、空嚥下をしてもらい、30秒間観察します。
※空嚥下とは飲食物が何も口に入ってない状態で飲み込んでもらうこと。
つまり唾液を飲み込んでもらうことです。
判定と評価
観察における判定基準は改定水飲みテストに準じます。
改訂水飲みテスト同様に、
1.嚥下できない
2.嚥下できる。むせもないが、呼吸変化がある
3.嚥下できるが、むせたり湿性嗄声がある。
4.むせや湿性嗄声ないが、追加で空嚥下を2回できない。
5.追加で空嚥下を30秒以内に2回できる
患者さんの様子が1~5のどれに該当するかで判定します。
※湿性嗄声とは湿ったしゃがれた声のことです。
さらにフードテストの場合は口腔内に残留があれば陽性とされます。
※口腔内残留とは平たく言えば口の中の食べカスのことです。
おわりに
フードテストに限らず、摂食嚥下障害に関する評価・アプローチは医療行為にあたるので、医師の指示の下で行います。
摂食嚥下障害の評価
参考資料
『摂食嚥下障害の評価 2019』(日本摂食嚥下リハビリテーション学会)2020年8月3日検索