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認知的制約(にんちてきせいやく)とは?
- 事物全体制約
- 事物分類制約
- 相互排他性
子供が言葉を獲得するには、上記3つの生得的な認知的制約が必要と考えられています。
生得的とは生まれ持ったという意味です。
認知的制約とは文字通り認知面に関する制限のことです。
人間には生まれながらに「事物全体制約」「事物分類制約」「相互排他性」といった認知的制約を持っており、これらが言葉を覚える際に重要な役割を果たしていると考えられます。
解説
認知的制約の例
子供は新しい言葉を聞いたとき、その意味を推論するにあたって可能性を取捨選択すると考えられています。
そのほうが効率的に言葉を覚えることができるからです。
例えば子供と母親が散歩をしていたとします。
道端の花にチョウチョがとまっていて、母親が「あ、チョウチョがいるね」と言ったとします。
このとき子供が「チョウチョ」という言葉を知らなかった場合、チョウチョの意味をどうやって推測するでしょうか。
母親が言った「チョウチョ」とは花の上にとまっている生き物を指すのでしょうか。
あるいは花の種類を指すのでしょうか。あるいは花の上に生き物がとまった状態を指すのでしょうか。
可能性を挙げていったらきりがありません。
このため人間は新しい言葉に触れた際、ある程度は可能性を切り捨てて語の意味を推論します。
これが言葉の発達における「認知的制約」です。
認知的制約があることで、「あ、お母さんが言っている『チョウチョ』というのは、花の上にとまった生き物を指すのだな」とわかります。
子供が言葉を覚える仕組み
以上のように認知的制約は言葉の発達の上で非常に重要な概念です。
言葉の発達において認知的制約は冒頭で述べた通り、「事物全体制約」「事物分類制約」「相互排他性」の3つの原理が挙げられます。
以下、これら3つの原理について見ていきます。
認知的制約の種類
事物全体制約
事物分類制約
相互排他性
参考資料
『日本の子どもの初期の語彙発達』(日本言語学会)2023年9月30日閲覧