3歳児の発達

3歳児の語彙数(言葉の数)ってどのくらい?|子供の言語発達

公開日:2020年6月21日


 
 

3歳児が知ってる言葉って何個くらい?

以前に言語発達検査をとっていた経験から、子供の語彙数について考えます。

3歳児の語彙数ってどのくらいなのでしょう?

子供が「くるま」という単語を知っていてば、その子が言葉を1個知っていることになります。

ここで言う「語彙」とは「くるま」などの名詞だけでなく、「走る」や「優しい」など動詞や形容詞も含みます。

言語学的には、
3歳頃の語彙数はおよそ1000語と言われています。

 
 
 

3歳児の語彙力

子供の言語発達、とりわけ語彙に着目した検査に絵画語い発達検査(PVT-R)というものがあります。

子供に4つの絵を見せ、検査者が言った言葉と同じ絵はどれかを選択してもらいます。

シンプルではありますが子供の語彙力を見る代表的な検査の1つです。

PVT-Rによると

子供は3歳までに約1000語の言葉を獲得すると考えられています。

個人差はありますが、

子供は2歳までにおよそ300語の語彙を獲得すると考えられています。

2歳までの2年間で300語であるのに対し、2~3歳の時期は1年間で700語近い語彙を獲得していることになりますね。

つまり3歳頃は、それまでにないくらい早いペースで語彙が3倍以上増加することがわかります。

 一般的に1歳半ないし2歳くらいから子供の言葉はそれまでとは異なった爆発的なペースで増えていきます。
 この時期は「ボキャブラリースパート」とも呼ばれ、2~3歳の言葉の数はこのボキャブラリースパートが大きく影響していると考えられます。

 
 
 

3歳児の言語発達

そもそも人間にとって「言葉」とは、3つの役割があると言われています。

1つはコミュニケーションです。
これはわかりやすいですね。

他者と意思を伝えあうために言葉は便利です。

もう1つは、行動の調整です。

重い荷物を持つときに「よいしょ」と言ったり、不安な時に「大丈夫、大丈夫」と自分に言い聞かせたり。

言葉は自分の行動を調整するために使われることがあります。

そして最後が概念の理解です。

抽象的なことを理解するためには言葉が役立ちます。

3~4歳頃は言葉による行動調整ができはじめる時期です。

3歳頃は語彙数が急激に増える時期ですが、同時に言葉の使い方も成長していく時期と言えます。

 
 
 

おわりに(語彙の伸ばし方)

その子の語彙数が多いか少ないか。
気にはなるところですが1000語あるかどうか数えるのは現実的ではありませんね。

別の側面で見ると、

3歳頃は反対語や動詞の言い換えなどもできはじめる時期です。

「大きいの反対は?」に対して「小さい」と答えたり、

「靴は『履く』だけど、帽子は?」に対して「かぶる」

などを答えられるようになってきます。

こういったクイズで子供の言葉の力を見てみてもいいでしょう。

 
 
 

補足記事

 
 
 

参考資料

上野一彦 名越斉子 小貫悟『PVT-R 絵画語い発達検査』日本文化科学社、2008年

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