4歳児が知ってる言葉って何個くらい?
以前に言語発達検査をとっていた経験から、子供の語彙数について考えます。
4歳児の語彙数ってどのくらいなのでしょう?
現場目線では、言葉はどれだけ知っているか以上にどう使うかが重要と思います。
しかしながら最低限の言葉の引き出しは必要ですし、「何歳で言葉を何個知っているのか」という素朴な疑問は押さえておきたいところでもあります。
言語学的には、
4歳頃の語彙数はおよそ1500語と言われています。
4歳児の語彙力と言語発達
子供の言語発達、とりわけ語彙に着目した検査に絵画語い発達検査(PVT-R)というものがあります。
子供に4つの絵を見せ、検査者が言った言葉と同じ絵はどれかを選択してもらいます。
シンプルではありますが子供の語彙力を見る代表的な検査の1つです。
PVT-Rによると
子供は4歳までに約1500語の言葉を獲得すると考えられています。
2歳頃までに300語、
3歳頃までに1000語
という経過を見ると、4歳頃の語彙は増えてはいますがそれまでのように倍以上なっているかと言えばそうではないですね。
一方で、
4歳頃というのは言葉のキャッチボールができはじめる時期です。
そのため親の体感としては4歳頃というのは言葉や会話の変化を感じやすい時期でもあります。
4歳児の語彙の増やし方
4歳頃は単純な言葉の数だけでなく、文法などの理解も進んでいく時期です。
具体的には、
4~5歳という時期は助詞の理解が進む時期でもあります。
例えば
「太郎君が叩いた」と
「太郎君を叩いた」
これらの違いがわかり使えるということです。
専門的には「語彙」とは名詞だけでなく、動詞や形容詞、助詞など様々な品詞を含みます。
そのため語彙を増やすとは単に名詞を教え込むのではなく、文法や様々な表現に触れていくことが大切でしょう。
おわりに
語彙というものは個人差があるものです。
特に大人になると生活環境により語彙も変わってきます。
医療現場で働く人は医学用語の語彙が豊富でしょうし、IT系で働く人はITに関する語彙に触れる機会が多いでしょう。
そのため一概に語彙が多ければいいというわけではありません。
とは言うものの、
言語発達学的には
幼児期および学童期は語彙が急速に増える時期です。
この頃にたくさん楽しく言葉に触れることは、子供の発達を促す良い機会になると思います。
補足記事
参考資料
上野一彦 名越斉子 小貫悟『PVT-R 絵画語い発達検査』日本文化科学社、2008年