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謝ればいいと思っている子
ただ「ごめん」と言えばいいと思っている子への対応方法としては、
きちんとその子に「響く言葉」で叱ったあとに謝ってもらうことが大切です。
世の中には、正直大人から見ると「ただ『ごめんなさい』と言えばいいと思っているな」と感じる子がいます。
頑なに「ごめんなさい」を言わない子供なら、大人もまだ叱りやすいです。
しかしすぐに「ごめんなさい」を言える子だと、それが「ただ言っているだけだ」と感じても、なかなか叱りにくいものです。
「誠意」というか「心」というか、そういうものを指導するのは難しいものです。
ただ「ごめんなさい」と言葉だけ言ってその場をやりすごす子供の場合、それが習慣化してしまっている可能性があります。
その子が反省すること、つまり、その子の感情や心が揺さぶられるような言葉かけをして行動を求めてから謝るように促すことが大切です。
以下、具体的に考えていきます。
心のこもった「ごめんなさい」とは?
人に謝る場合は言葉だけでなく誠意が必要です。
心がこもった言葉で謝ることが大切です。
しかし「心がこもった」というのは感覚としてはわかりますが、人に教えることは難しいものです。
考え方はいろいろありますが、
心のこもった「ごめんなさい」とは、「自分が悪いことをした」と自分の中で苦悩があり、「相手に悪かったと思える」気持ちから言える「ごめんなさい」ではないでしょうか。
つまり「自分」と「相手」の双方に向き合うということです。
そのため子供に「謝ること」を教える場合、
「自分が悪いことをしたんだ」ということと、「相手にそのことを謝罪しなければいけないのだ」ということの2つをしっかり伝え理解してもらう必要があります。
「ごめんなさい」の教え方
例えば子供が友達のおもちゃを勝手に取ったとしましょう。
おそらく子供はその取ったおもちゃで遊びたがっているでしょう。
まずは子供を自分の前に連れてきて、目線の高さを合わせて視線を合わせます。
目を見て話をします。
ここで子供がおもちゃに意識がいって話に集中できないなら、子供からおもちゃを一旦は取り上げます。
「人のおもちゃを勝手に取るのはいいこと?」などのように、子供自身の言葉を求めます。子供に考えて言葉を選ばせることをさせるわけです。
ただのうなずきや、「ごめんなさいを言いなさい」では、子供は考える機会がありません。
必ずこちらの言葉に対して考えないと答えられない言葉かけをします。
もしここで「取るのはダメ」と言えても、あまり反省していない様子であれば、
「なんで取るのはダメなの?」
「じゃあなんで取ったの?」
と理由を深く掘り下げていきます。
そうやって子供に「あ、今の雰囲気はいつもと違う」「自分は何かまずいことをしてしまったんじゃないか」という雰囲気を伝えます。
その雰囲気が伝われば、おそらく、子供の目は笑っていません。少しひきつった、「叱られている表情」になります。
この状態になってはじめて、「じゃあ友達になんて言ったらいいの?」と謝罪の言葉を促します。
おわりに
ただ「ごめんなさい」を言えばいいということが習慣化することは、謝る側・謝ってもらう側の双方にとって良いこととは言えません。
人は誰でも間違いはあります。
そのとき、心を込めて謝るということは大切なことです。
そしてそれを教えることは、時には簡単ではありません。
膝をしっかり突き合わせて、話し合う必要も出てきます。
けれどそこを後回し・先送りにすると、その話し合いはもっと困難なものになってしまいます。
日々多忙な中ですが、子供の情緒に関してはしっかりその場で時間を割くことが必要になってきます。