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【検査】グッドイナフ人物画知能検査とは?

公開日:2017年2月15日


 
 

グッドイナフ人物画知能検査とは?

グッドイナフ人物画知能検査(Goodenough draw-a-man intelligence test)とは簡易的な知能検査の一つです。

その名の通りグッドイナフ(F.L.Goodenough)さんによって開発されました。

日本では何度か翻訳および標準化の作業が行われ、1970年代の翻訳で現在に至ります。
 
 
 

グッドイナフ人物画知能検査の実際

内容

白紙の紙に鉛筆で人の絵を描いてもらい、描いた絵からその子の精神年齢を算出する知能検査です。

きちんと目が描かれているか。
耳が描かれているか。
手と腕を区別して描けているか。
洋服を着ているか。
など検査基準に従い絵のポイントを見ていきます。

人の絵を描く。Draw-a-Manなので、
グッドイナフ人物画知能検査は「DAM」や「ドローアマン検査」などと言われることもあります。
 
 

対象年齢

3~12歳頃のお子さんを対象にした小児用の検査です。

小児の発達評価としては、
保育園・幼稚園の頃から小学生まで対応している比較的幅が広い検査と言えます。

 
 

所要時間

5分あるいは10分くらいで実施できます。

短時間で実施できる検査と言えますね。
 
 

実施方法や手順

「人を描いてみてね。頭から足の先まで全部描いてみてね」のように教示します。

描く人は男女は問いません。

しかしながら採点基準が男の子の絵を参考にしている面があるので、
対象の子が女の子の絵を描いた場合はその後に男の子の絵も描くように促します。
 
 

採点方法

描いた絵をチェックして採点していきます。

「目は描かれているか」など人の絵を描くにあたってのポイントが約50個あり、ひとつ1点の50点満点で採点していきます。

付属の、何点が何歳相当かという換算表を参考に精神年齢を算出します。
 
 
 

グッドイナフ人物画知能検査の意義

グッドイナフ人物画知能検査は描いた絵から知能の目安がわかるという比較的珍しい検査です。

絵を描くという子供が遊び感覚でできる点、
実施時間が短くて済むという点から
子供の負担が少ない検査です。

絵を描いてもらうだけなので検査者側も複雑な教示をする必要がありません。
検査実施の難易度も高くなく、実施しやすい検査の一つです。

グッドイナフ人物画知能検査はその検査の性質上、おおまかな精神年齢しか算出できません。
そのためスクリーニング的な性質を持つ検査です。
より詳しい他の知能検査と併用して使うことがおすすめです。

グッドイナフ人物画知能検査は絵を描く検査です。
そのため言語面の評価はできません。

言語面のスクリーニング検査としては、例えば語彙力を評価できる絵画語い発達検査(PVT-R)などがあります。

補足記事:絵画語い発達検査(PVT-R)とは?
 
 
 

まとめ

グッドイナフ人物画知能検査は描いた絵から知能の目安を算出する検査です。

検査の性質上、実施に伴う子供の負担が少ない一方で、あくまでおおまかな知能しか測ることはできません。

また、スタッフ目線でみるとグッドイナフ人物画知能検査は「子供はその年齢でどのような絵を描くのか」という正常発達の勉強にもなります。

 
 
 

参考資料

-その他の検査

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