標準誤信念課題とは?
「標準誤信念課題」は「一次的誤信念課題」とも言われます。
標準誤信念課題とはいわゆる「サリーとアン課題」などの誤信念課題を指します。
心の理論の理解度を見るためのポイントの1つが誤信念の理解であり、誤信念課題はこれらを見る課題です。
標準誤信念課題では「○○は△△と思っている」という状況を理解できるかが問われます。
誤信念とは?
誤信念とは、「人は状況によって正しいときもあるし間違うときもある」ということを理解できる能力です。
例えばAさんが冷蔵庫にプリンを入れていたとします。
その後、Bさんが冷蔵庫のプリンを勝手に食べてしまいました。
Aさんはその場にいなかったため、Bさんがプリンを食べたことは知りません。
そして時間が経って、Aさんがプリンを食べようと部屋に戻ってきました。
この場合、Aさんはプリンを食べるため冷蔵庫を開けることが予想できます。
なぜなら、実際に冷蔵庫にプリンはないですが、AさんはBさんの行動を知りません。
そのためこの話を客観的に聞いた人は、「Aさんは冷蔵庫にプリンがあると思っている」というAさんの誤った信念(認識)を理解できます。
こういった「○○は△△と思っている」という構造を持つ課題を標準誤信念課題あるいは一次的誤信念課題と言います。
一次的誤信念課題の例
一次的誤信念課題の例としては、サリーとアン課題やスマーティ課題などがあります。
いずれにおいても「○○は△△と思っている」という構造を持ちます。
そしてこういった一次的誤信念課題を通過できるのは正常発達において4~5歳頃と考えられています。
また、「○○は△△と思っていると□□は思っている」という入れ子構造になっているものを二次的誤信念課題と言い、こちらは一次的誤信念課題よりも難易度が高いとされます。
補足記事
参考資料
『児童期における再帰的な心的状態の理解』(日本教育心理学会)2020年10月2日検索