二次的誤信念課題とは?
二次的誤信念課題とは「Aさんは○○と思っているとBさんは思っている」という状況を理解できるかを見る課題です。
誤信念は心の理論の中核をなす概念です。
そして心の理論の理解度を見るために用いられる課題が、こういった誤信念の理解を問う誤信念課題です。
誤信念課題には「「Aさんは○○と思っている」という構造を持つ一次的誤信念課題と、「Aさんは○○と思っているとBさんは思っている」という入れ子構造を持つ二次的誤信念課題があります。
当然その構造上、二次的誤信念課題のほうが難易度が高い課題とされます。
誤信念とは?
誤信念とは、「人は状況によって正しいときもあるし間違うときもある」ということを理解できる能力です。
例えばチョコレートが大好きなAさんがいたとします。
Aさんは今、チョコレートをお腹いっぱい食べました。そのため今はチョコレートに飽きています。
その状況を知らないBさんが来ました。
BさんはAさんと一緒に食べようと、袋に入ったチョコレートを持っています。
この場合、Bさんの思惑に反しAさんはチョコレートをあまり喜ばないのではと予想できます。
なぜなら、Aさんはチョコレートを食べたばかりだからです。
そのためこの状況は、「Aさんはチョコレートを喜ぶとBさんは思っている」と表現できます。
こういった「思っていると思っている」という入れ子構造を持つ課題を二次的誤信念課題と言います。
二次誤信念課題の例
二次的誤信念課題の例としてはアイスクリーム課題などがあります。
いずれにおいても「Aさんは○○と思っているとBさんは思っている」」という構造を持ちます。
またサリーとアン課題のような一次的誤信念課題をアレンジすることで二次的誤信念課題を行うこともできます。
例えばサリーとアン課題であれば「アンが物を移すところをサリーがこっそり見ていた」という条件を加え、「サリーがどこを探すとアンは思うか」という問いに変えるといったかたちです。
こういった二次的誤信念課題を通過できるのは正常発達において6~9歳頃と考えられています。
二次的誤信念課題の通過年齢に比較的幅があるのは、二次的誤信念課題の問題内容自体が言語的に複雑である点も影響していると考えられています。
補足記事
参考資料
『児童期における再帰的な心的状態の理解』(日本教育心理学会)2020年10月2日検索