母親の学歴の違いと子育ての違い
アメリカの研究であるため日本のそのまま適用はできませんが、
母親の学歴の違いは子育てにも影響が出る可能性があるようです。
これは仕事の安定性や収入の多い・少ないだけでなく、教育に対する姿勢にも影響があると考えられます。
解説
母親の学歴によって子育ての時間の使い方が違う
大卒の母親は低学歴の母親より育児に多くの時間を割き、特に情操教育に熱心な傾向があるようです。
子供への読み聞かせに時間を割き、逆に一緒にテレビを見る時間は少ない傾向にあるようです。
想像には難くありませんが、大卒の母親はそうでない場合と比べて仕事や収入面が安定してる可能性が高く、そのぶん子育てにおいて豊かな環境を与えようとします。
また学歴が高い母親は教育を修了してから結婚・出産をする傾向があるため、子供の数が少なくなり、少ない子供の数はより一人当たりの教育費を潤沢にします。
もちろんあくまで傾向の話ですあるため全員がそうとは言えません。
しかしながら母親の学歴およびそこから形成された価値観が、子育てに影響を与える可能性は無視できなものと言えるでしょう。
親の職種と子供の言葉の発達
1990年代の調査になりますが、親の仕事の種類によって子供の言葉の数に違いが表れている例もあります。
3歳児の語彙について親が専門職の過程では1100語、労働者の家庭では750語、生活保護受給者世帯では500語だったそうです。
子育ての優先順位
個人差はあるでしょうが、学歴が高いほうが収入が高くなることは想像に難くありません。
収入が高いことでより環境的に恵まれた子育てができることもまぁ想像に難くないでしょう。
一方で示唆的なのが、テレビを見る時間といった「消費的な活動」をする時間が親の学歴によって影響を受けている点です。
親が教育の大切さを身を持って感じているほど、「ダラダラテレビを見る」といった時間がいかに無駄かという意識が持てるのでしょう。
学歴はすぐに変えられるものではありませんが、そういった子育てへの思いや思慮深さ、優先事項の見直しはすぐにできることかもしれません。
参考資料
ジェームズ・J・ヘックマン(著)、古草 秀子(翻訳)『幼児教育の経済学』東洋経済新報社、2015年