八方美人とは、一般的に
「誰からも嫌われないように、誰からも好かれるように振る舞う人」のことを言います。
誰からも嫌われないように人と接しているのに、
残念ながら八方美人は世間一般の認識としては人から嫌われやすいです。
なぜ八方美人は嫌われやすいのでしょう?
人は人と共感したいものです。
何かに対してどう思うか。
何を好ましく感じるか。
何を疎ましく感じるか。
私達は自分が感じたことと、人が感じたことが一緒だと安心します。
誰かと感情を共有できることを嬉しく感じるのは自然なことです。
しかし共感は何も「嬉しい」「楽しい」などポジティブなことだけではありません。
何を嫌うか、何に腹が立つか、何に嫌な気持ちになるか。
誰しも愚痴を言ってすっきりすることはあるでしょう。
ネガティブな感情も人は共感したいものなのです。
八方美人は誰からも嫌われないように人と接します。
誰かを嫌う言動がありません。
八方美人は、人とネガティブな感情を共有できないのです。
八方美人でも、ネガティブな感情を共感してくれる人がいます。
「○○さんが嫌い」と言えば、
「私もそう思う。○○さん嫌い」と共感してくれます。
でもその人は、○○さんと話すときは「私○○さんといるの好きなんですよ」とまったく別のことを言います。
その場その場で都合のよいことを言う八方美人がいます。
ポジティブな感情もネガティブな感情も、とにかくその場限りで共感しようとする八方美人がいます。
人は相手の正直な気持ちが知りたいものです。
嘘をつく人は、信用できません。
信用できない人に自分の正直な気持ちは言いたくないし、一緒にいたいとも思いません。
嘘つきは嫌われるのです。
「あなたが好き」「あなたの話が聞きたい」
「私にとってはあなたしかいない」
人は誰しも特別な存在でありたいものです。
その他大勢ではいたくありません。
替えのきく人では嫌なのです。
八方美人は誰とも仲良くします。
自分にしか話してくれないこと、
自分だから話してくれること。
そういうことが八方美人の人といても生まれないのです。
八方美人の人と一緒にいると、
自分はその他大勢の中の一人でしかないと感じます。
だとしたら、その人と一緒にいる意味なんて見出せません。
人は誰しも人から嫌われたくないと大なり小なり思うものです。
けれど人間は十人十色。
生きていたら、人から嫌われることもあるし、人を嫌ってしまうこともあります。
自分は人に嫌われたくないのに人から嫌われることがある。
それなのに人に嫌われないように都合が良いことを言っている人はなんだか腹が立つし嫉妬します。
八方美人は人から嫉妬されるのです。
結局のところ、
八方美人は「あいつは八方美人だ」とバレるものです。
八方美人と仲良くすると、
「あんな上っ面だけの人と仲良くしている。相手が上っ面だけのことに気づいていないんだ」と思われます。
要するに、
八方美人と仲良くしていると馬鹿かお人好しだと思われるのです。
そうすると、自分まで人から避けられます。
八方美人とは関わりたくないと人は思うのです。
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