発達の芽生えとは?
発達における「芽生え」とは、その発達・課題・分野において完璧にできるわけではないけれど、とっかかりのようなものがある状態を言います。
芽生えは、ある発達を獲得するための土台あるいは入り口に相当します。
発達障害児の成長を見る中では、この芽生えに気づいてあげることがとても重要になります。
子供の成長を見逃さないために
自閉症スペクトラム障害を対象にした検査にPEP-3というものがあります。
芽生えという言葉はPEP-3をはじめとし、様々な発達検査で用いられます。
子供の発達において、それが「できる」「できない」の0か100ではなく、そのとっかかりとなる成長を見逃さないことが育児や教育には大切であることがわかります。
発達における芽生えの例
子供の発達における「芽生え」は、わかりやすいものとわかりにくいものがあると思います。
わかりやすいものとは、例えば「言葉を話せるか」という発達項目に対して、「言葉が少し出ている」といった状態です。
「少し言葉が出ていること」が、「言葉を話す」「文章で話す」の前段階であることは誰にでもわかると思います。
単語は少しずつ出始めている状況は、その子が言葉を話す入口というか芽生えでしょう。
一方でわかりにくい芽生えとしては、例えば「言葉を話す」という発達項目に対して「他者と視線が合う」や「指さしがある」などがあります。
「言葉を話す」とはある意味でコミュニケーションで、他者との相互性が大切です。
そのため「視線が合う」とか「指さしがある」などは発達において重要な指標です。
発達に詳しい専門家ならすでに知っていることかもしれません。
しかし一般の親御さんからしたら「言葉が出ていないし、視線も合わない子」と「言葉は出ないけれど視線は合うし指さしもある子」を同じ「言葉がまだ出てない子」と思いがちなのではないでしょうか。
この二人は言葉が出ていない点こそ同じですが、その背景や現状が専門家から見れば全く異なります。後者のほうがより「芽生え」があるのです。
おわりに
子供の何気ない成長を見逃さないことは大切です。
わずかな成長が、次のステップにいくための大きな足掛かりになることは多いです。
大きな変化ばかり求めては、誰だって息苦しいものです。