偏食と給食の関係
「保育園(あるいは幼稚園、あるいは小学校)に行き出してから好き嫌いが減った」というのは、子育てにおいてよく聞く話ではあります。
実際のところどうなのでしょうか?
もちろん個人差はあるのでしょうが、
保育園や小学校の給食により偏食(好き嫌い)がなくなる・軽減されるというのは、科学的にも理に適っています。
解説
偏食の理由
偏食の理由は人によって様々です。
この中の1つに、専門的には「逃避の負の強化」があります。
要するに、「嫌いな食べ物を避けて食べないで済むことで、余計にその食べ物に対する嫌いなイメージ・避ける習慣が定着する」ということです。
この負のループにより偏食(好き嫌い)が固定化さている子もいます(もちろん全ての偏食の原因がこれというわけではありません)。
これは俗に言う「食わず嫌い」にも通ずるものがあるでしょう。
こういった背景の場合、好む好まざるに関わらず様々な食材が出てくる給食は良いきっかけとなる場合があります。
食べ物へのイメージは大切
その食べ物が好きか嫌いかは味や食感など直接的な理由が大きいですが、イメージや思い出といった間接的な要因も重要です。
みんなが楽しく食べている中で、自分も食べてみようと思うこともあるでしょう。
アメリカ国立衛生研究所の研究によると、たとえ好まない食材であっても継続的に給食で提供することで、子供の摂取量に変化があったそうです。
このように食事のイメージや場の雰囲気は、子供の好き嫌いに影響があることが考えられます。
参考資料
『偏食の観点からみた幼稚園児の食習慣に関するパス解析』(一般社団法人 日本家政学会)2021年9月11日検索
『幼児の偏食と生活環境との関連』(日本民族衛生学会)2021年9月11日検索
『母親の就業状況別にみた幼児の偏食とその関連要因』(日本民族衛生学会)2021年9月11日検索
『幼児期前期における嫌いな食べ物の質的変化に関する縦断研究』(特定非営利活動法人 日本栄養改善学会)2021年9月11日検索
『幼児期における嫌いな食品の変化と偏食との関連』(西九州大学)2021年9月11日検索
『食の問題行動に関する臨床発達心理研究(1)偏食の経験的定義』(広島修道大学)2021年9月11日検索
『食の問題行動に関する臨床発達心理研究(2)偏食尺度の標準化と偏食の諸特徴』(広島修道大学)2021年9月11日検索
『自閉スペクトラム症児の偏食に対する食物同時提示法の適用』(NPO法人 日本自閉症スペクトラム支援協会 日本自閉症スペクトラム学会)2021年9月11日検索
『自閉症スペクトラム障害児の食事に関する問題の検討』(一般社団法人 日本摂食嚥下リハビリテーション学会)2021年9月11日検索
『自閉症児の食嗜好の実態と偏食への対応に関する調査研究』(公益財団法人 浦上食品 ・ 食文化振興財団)2021年9月11日検索
『”You will eat all of that!”: a retrospective analysis of forced consumption episodes』(アメリカ国立衛生研究所)2021年9月20日検索
『Increasing fruit and vegetable consumption among preschoolers: evaluation of color me healthy』(アメリカ国立衛生研究所)2021年9月20日検索
『Repeated exposure in a natural setting: a preschool intervention to increase vegetable consumption』(アメリカ国立衛生研究所)2021年9月20日検索