偏食(好き嫌い)は何歳から?
偏食(好き嫌い)の有無は人によって異なります。
偏食がある場合、その様子は3歳前後から目立ち始め、思春期頃には固定化されると考えられています。
解説
偏食の経過
人には大なり小なり食べ物に好き嫌いがありますので、食べ物に対する嗜好性は離乳食の時期からすでに多少は見られます。
日本民族衛生学会や日本家政学会などの論文を参考にすると、
偏食は自我意識が強くなる3歳前後に比較的見られ、思春期頃には固定化されていきます。
この時期は2歳前後のイヤイヤ期(第一反抗期)とやや重なっており、この時期の食育の大変さを物語っています。
極端な例を除いて、偏食は成長過程で多少は見られるものであり、神経質になりすぎない親の姿勢も大切です。
偏食の固定化
先述のように、食べ物の好き嫌いは思春期頃に固定化されると考えられています。
このため幼児期および学童期にいろいろな食べ物を食べて偏食に働きかけることは大切であると考えられます。
しかしながら日本栄養改善学会や西九州大学などの論文を参考にすると、
親や先生から無理やり嫌いな物を食べさせられても、7割の人は大人になってもそれが嫌いなままのようです。
このため偏食の改善を考える場合は無理に食べさせるのではなく、かといって嫌いな物を食卓に出さないのではなく、好きな物も嫌いな物もバランスよく食べるチャンスを作ってあげるように心がけます。
量や味付け、食べ方などを工夫しながら子供が嫌になり過ぎない程度でいろんな物を食べる機会を設けましょう。
参考資料
『偏食の観点からみた幼稚園児の食習慣に関するパス解析』(一般社団法人 日本家政学会)2021年9月11日検索
『幼児の偏食と生活環境との関連』(日本民族衛生学会)2021年9月11日検索
『母親の就業状況別にみた幼児の偏食とその関連要因』(日本民族衛生学会)2021年9月11日検索
『幼児期前期における嫌いな食べ物の質的変化に関する縦断研究』(特定非営利活動法人 日本栄養改善学会)2021年9月11日検索
『幼児期における嫌いな食品の変化と偏食との関連』(西九州大学)2021年9月11日検索
『食の問題行動に関する臨床発達心理研究(1)偏食の経験的定義』(広島修道大学)2021年9月11日検索
『食の問題行動に関する臨床発達心理研究(2)偏食尺度の標準化と偏食の諸特徴』(広島修道大学)2021年9月11日検索