離乳食と子供の偏食の関連性
子供が偏食になるリスク因子として、離乳食の開始の遅れや、成長に合わせた調理ができていないことが考えられます。
一般に離乳食は生後5か月頃から1歳半頃までの期間になりますが、このときと対応が不十分だと3~4歳頃の食生活に影響が出る可能性が示唆されています。
解説
離乳食の進め方と偏食のリスク
日本民族衛生学会の論文によると、離乳食の開始が7か月以降であったり、成長に合わせた固さ・味付けを行わなった家庭では、3~4歳児において偏食のある子の割合が高かったそうです。
だからといって離乳食と偏食が必ず結びつくとは言えませんが、少なくとも適切な離乳食を提供することは大切と言えるでしょう。
ベビーフードと偏食
先ほどの論文では、市販のベビーフードの利用率の高さも、偏食に関係があるようです。
ただしこれはベビーフードが偏食を招くという意味ではなく、同じベビーフードばかり食べさせるような多忙な生活では、子供の食事を配慮する機会が減り、結果として偏食を促す生活習慣になってしまうのではという仮説です。
偏食予防の離乳食
離乳食は適切な時期に適切な範囲でいろいろな食材をバランスよく食べさせていきましょう。
味付けも濃くしすぎず、素材の味を活かします。
一般に離乳食は5~6か月頃からと考えられていますが、子供の発達には個人差があります。
かかりつけ医などに相談しながら、年齢ではなくその子の発達に合わせた離乳食の進め方を行いましょう。
離乳初期(5~6か月)とは?
参考資料
『偏食の観点からみた幼稚園児の食習慣に関するパス解析』(一般社団法人 日本家政学会)2021年9月11日検索
『幼児の偏食と生活環境との関連』(日本民族衛生学会)2021年9月11日検索
『母親の就業状況別にみた幼児の偏食とその関連要因』(日本民族衛生学会)2021年9月11日検索
『幼児期前期における嫌いな食べ物の質的変化に関する縦断研究』(特定非営利活動法人 日本栄養改善学会)2021年9月11日検索
『幼児期における嫌いな食品の変化と偏食との関連』(西九州大学)2021年9月11日検索
『食の問題行動に関する臨床発達心理研究(1)偏食の経験的定義』(広島修道大学)2021年9月11日検索
『食の問題行動に関する臨床発達心理研究(2)偏食尺度の標準化と偏食の諸特徴』(広島修道大学)2021年9月11日検索
『”You will eat all of that!”: a retrospective analysis of forced consumption episodes』(アメリカ国立衛生研究所)2021年9月20日検索
『Increasing fruit and vegetable consumption among preschoolers: evaluation of color me healthy』(アメリカ国立衛生研究所)2021年9月20日検索
『Repeated exposure in a natural setting: a preschool intervention to increase vegetable consumption』(アメリカ国立衛生研究所)2021年9月20日検索