大人になったら食べられる物
個人差はありますが、食べ物の好き嫌い(偏食)は大人になる中で多少なりとも変化が見られます。
そのカギとなるのは好き嫌いの理由であり、その食べ物が嫌いな理由が「味」である場合、大人になると多少なりとも食べることができるようになるケースが見られます。
反対に、その食べ物が嫌いな理由として「味」に加えて「食感」なども挙がる場合は大人になっても食べられないケースが目立ちます。
解説
大人になる中での好き嫌いの変化
私達は子供の頃、家庭や学校で好き嫌いをせずバランスよく食べるよう指導されることが多いです。
しかしながらアメリカ国立衛生研究所の調査によると、親や先生から無理やり嫌いな物を食べさせられても、7割の人は大人になってもそれが嫌いなままだそうです。
これは国内の調査でも同様で、西九州大学の論文によると、嫌いな食べ物の内容は幼児期から大学生期にかけて大きくは変化していない様子が見られます。
しかしながら、子供から大人にかけて人が食べる食べ物に変化がないかというとそうではありません。
7割以上の人は、嫌いな食べ物を「嫌いではあるけれど食べることはできる」状態にはなっているようです。
このように、実際に口にできるか否かについては変化が見られます。
その食べ物が嫌いな理由
嫌いな食材であっても調理の仕方によって食べることができるというケースはよくあります。
嫌いな食べ物がなぜ嫌いなのか理由を考えるのは大切なことです。
先ほどの西九州大学の論文によると、子供の頃ピーマンやニンジンを嫌いだった人の約半数は、大人になると食べることができるようになっているそうです。
そしてこのピーマンやニンジンを嫌いな理由は「味」と答えた人が多かったそうです。
一方で、トマト・ナス・キノコ類は大人になっても依然として嫌いな人が多かったようです。
これらの食材が嫌いな理由は「味」に加えて「食感」が挙がっていたそうです。
このように、その食べ物が嫌いな理由に「味」に加え「食感」などが加わると、受け入れることに困難さが生じやすいようです。
参考資料
『偏食の観点からみた幼稚園児の食習慣に関するパス解析』(一般社団法人 日本家政学会)2021年9月11日検索
『幼児の偏食と生活環境との関連』(日本民族衛生学会)2021年9月11日検索
『母親の就業状況別にみた幼児の偏食とその関連要因』(日本民族衛生学会)2021年9月11日検索
『幼児期前期における嫌いな食べ物の質的変化に関する縦断研究』(特定非営利活動法人 日本栄養改善学会)2021年9月11日検索
『幼児期における嫌いな食品の変化と偏食との関連』(西九州大学)2021年9月11日検索
『食の問題行動に関する臨床発達心理研究(1)偏食の経験的定義』(広島修道大学)2021年9月11日検索
『食の問題行動に関する臨床発達心理研究(2)偏食尺度の標準化と偏食の諸特徴』(広島修道大学)2021年9月11日検索
『”You will eat all of that!”: a retrospective analysis of forced consumption episodes』(アメリカ国立衛生研究所)2021年9月20日検索
『Increasing fruit and vegetable consumption among preschoolers: evaluation of color me healthy』(アメリカ国立衛生研究所)2021年9月20日検索
『Repeated exposure in a natural setting: a preschool intervention to increase vegetable consumption』(アメリカ国立衛生研究所)2021年9月20日検索