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非陳述記憶とは?
非陳述記憶とは、言葉やイメージにすることができないけれど覚えている記憶のことです。
非宣言的記憶、潜在記憶とも言われます。
例えば「靴紐の結び方」はパッと言葉にすることは難しいですが、やってみれば体が覚えていて結ぶこと自体はスムーズにできます。
このように非陳述記憶は言葉や知識としてではなく、行為そのものとして思い出される記憶です。
解説
非陳述記憶の位置づけ
非陳述記憶は記憶を「覚えている内容」で分類した場合の種類の1つです。
非陳述記憶はさらに細かく分けると「手続き記憶」、「プライミング」や「条件反射」といったものがあります。
ちなみに記憶を「覚えている時間の長さ」で分類すると、長期記憶や短期記憶などがあります。
このため、例えば「靴紐の結び方は非陳述記憶か?長期記憶か?」といった二者択一の分類はできません。
そもそも分類の基準自体が異なるからです。
靴紐の結び方は非陳述記憶でもあり長期記憶でもあると言えます。
非陳述記憶の特徴
非陳述記憶は言葉やイメージなどではっきり意識・表現できない点が特徴です。
自転車の乗り方や楽器の弾き方など、俗に言う「身体が覚えていること」が非陳述記憶と言えるでしょう。
また非陳述記憶はこういった性質から作業の正確性や速度を向上させることに貢献している記憶です。
非陳述記憶の例
非陳述記憶の例は以下のようなものが挙げられます。
- 自転車の乗り方
- 楽器の弾き方
- パソコンのタイピング
- 勘違い(前の記憶が干渉している)
- 美味しそうな食べ物を見てよだれが出る(条件反射)
非陳述記憶の種類
手続き記憶
プライミング
陳述記憶とは?
参考資料
『実行機能の初期発達,脳内機構およびその支援』(心理学評論刊行会)2021年11月6日検索
『ワーキングメモリトレーニングと流動性知能』(日本心理学会)2022年8月6日検索
『記憶とその障害』(一般社団法人 日本高次脳機能障害学会)2022年8月15日閲覧