実行機能

非構造化された活動とは?|子供の非認知的能力を伸ばすには

公開日:2022年9月5日

前のページ


 
 

非構造化された活動とは?

 「非構造化された活動」とは自由遊びや自発的な練習を主に指します。
 非構造化された活動は子供の実行機能を鍛える可能性があると考えられています。

 近年は知能(IQ)とはまた異なった非認知的な力が人生には必要であるという考えが教育学を中心に浸透してきています。

 非認知的な力の定義は広いですが、その中の1つに自分をコントロールする力、つまり自制心が挙がります。

 こういった自分をコントロールし、目的を達成するための過程を組み立てていく力を専門的には実行機能と言います。

 非構造化された活動は、子供の実行機能に働きかける活動の1つです。

 
 
 

解説

非構造化された活動の内容

 非構造化された活動とは良い意味で内容を定めない本人主体の活動を指します。

 構造化された活動は例えばサッカーの指導やピアノのレッスンなどを指します。

 これに対し非構造化された活動とは自由な遊びや自分から行うピアノの練習などがあります。

 子供が主体となり探求していく点では、モンテッソーリ教育と共通する部分もあるかもしれません。

 
 

自由遊び

 自由に遊ぶといっても、タブレットを1日何時間も見せるだけでは充実した活動とは言い難いでしょう。

 子供が自由に充実して遊ぶには、それなりの環境設定が必要です。
 本人にとって簡単すぎず難しすぎないおもちゃや活動が必要です。

 また子供自身が求めれば、大人が手助けをする状況もあるかもしれません。

 充実した自由遊びの長さが言語性流動性課題の結果に影響したという研究もあります。

 言語性流動性課題とは、「果物の名前をたくさん言ってね」など、回答の長さが本人の力によって変わってくるような課題です。

 
 

自発的な練習

 同じ学習・練習でも、大人が子供に教える「レッスン」と、自発的な練習は異なるでしょう。

 自発的な練習はあくまで子供が主体であり、大人はそれをサポートする役でしかありません。

 
 
 

様々な実行機能の訓練方法

 
 
 

参考資料

『実行機能の初期発達,脳内機構およびその支援』(心理学評論刊行会)2021年11月6日検索

『自己制御と実行機能の関係の検証に係る諸問題』(心理学評論刊行会)2022年5月5日検索

『知的障害児のプランニングと抑制機能の支援に関する基礎的・実践的研究』(東京学芸大学)2022年5月5日検索

『心の理論の生涯発達における実行機能の役割』(心理学評論刊行会)2021年11月6日検索

『幼児版ストループ課題の作成』(公益社団法人 日本心理学会)2021年11月6日検索

『幼児における「心の理論」と実行機能の関連性 : ワーキングメモリと葛藤抑制を中心に』(一般社団法人 日本発達心理学会)2021年11月6日検索

『幼児における「心の理解」の指標としての嘘をつく行為と葛藤抑制能力との関連』(公益社団法人 日本心理学会)2021年11月8日検索

『言語ラベリングが実行機能課題に及ぼす効果とその持続性-幼児期に着目して-』(京都大学学術情報リポジトリ)2021年12月4日検索

『子どもの認知発達の指標として「うそ」をとらえる』(日本心理学会)2021年12月29日検索

『日本語版 BRIEF-P の開発』(日本発達障害支援システム学会)2021年12月30日検索

『子どものGO/NO-GO課題と生活調査 : 日本の1998年と中国の1984年を比較して』(信州大学 他 国立国会図書館デジタルコレクション)2021年12月30日検索

『「乳幼児の脳を「go/no-go 実験」から分析し,成人らしい「活発型」へと変化・成長させていく取り組み』(白梅学園大学・短期大学 学術リポジトリ)2022年1月9日検索

『小学生における高次神経活動の実態とそれに及ぼす生活状況の検討:go/no-go課題における誤反応数と型判定の結果を基に』(日本発育発達学会)2022年1月9日検索

『遂行(実行)機能をめぐって』(認知神経科学会)2022年6月24日検索

-実行機能

テキストのコピーはできません。