人を惹きつける魅力がある人
彼は当時、中学生でした。
彼には仲の良い友人もいましたし、そうでないクラスメイトもいました。
彼には仲良くなりたいと思うクラスメイトもいましたし、別に仲良くならなくていいかなと思うクラスメイトもいました。
彼が「話しやすい」「一緒にいて楽しい」と思う友人は、やはり他の人達もそう思っているようでした。
彼が「話が今一つ盛り上がらない」と思う友人は、やはり他の人達もそう思っているようでした。
端的に言ってしまえば、
クラスには「人を惹きつける魅力がある人」とそうでない人がいました。
この違いはなんなのだろう。
彼はいつしかそんなことを考えるようになりました。
どうやったら魅力のある人になれるのだろう?
彼はどちらかというと、「人を惹きつける魅力がある人」ではありませんでした。自分でそのように感じていたのです。
彼が仲良くなりたいと思うクラスメイトには、自分よりももっと仲が良い友人がいました。
そういう経験が多かったので、
どうやったら人間関係を上手に築けるのだろう。
どうやったら魅力のある人になれるのだろう。
そんなことをぼんやりと考えていました。
まずはじめに彼が思ったのは、「見た目かな?」ということです。
要するに、見た目が魅力的だと人を惹きつけるのではないか。ということです。
この考えは少しは当たっているけれど、全部が当たっているわけではありませんでした。
必ずしも容姿がいい人が、人に好かれている感じではなかったからです。
スポーツができることかな?
勉強ができることかな?
これらも違ったようです。
どうやら、人の魅力は必ずしも外見や学力といった能力で決まるわけではなさそうです。
だったら内面かな?と彼は思いました。
例えば「優しさ」。
でも、それも少し違うなと彼は思いなおしました。
なぜなら、クラスの人気者よりも、自分のほうが「優しいね」とクラスメイトに言われる機会は多かったからです。
人を惹きつける魅力の正体
世の中には、「人を惹きつける人」がいます。
人の惹きつけ方にはいろいろな形があります。
お金持ちだったり、外見が良かったり、勉強やスポーツができたり。
そういった測れる能力で人を惹きつける人もいます。
でも、そうでない人もいます。
人を惹きつける魅力の1つは、相手の心情を察したり空気を読める能力があることです。
彼がそのことに気付いたのは、もう少し大人になってからのことでした。
今にして思えば、
彼が中学生の頃「魅力的だった友人達」は、場の空気を読むのが上手かったです。人の心情を察するのが上手かったです。
この人達といると、場が上手く進んでいくという安心感のようなものがありました。
彼らは人の話を聞くのが上手く、自分の話を場に合わせて上手に話すことができていました。
その場の暗黙のルールや言ってはいけないことを察して行動することができていました。
おわりに
場の空気を読める、人の心情を察することができるというのは、コミュニケーションを円滑にしてくれます。
「空気を読む」ということに、「周りを気にして言いたいことを言えない」という印象を持つ人もいます。
けれど実際は微妙に違っていて、
「自分の言いたいことを相手にうまく伝える」ということも空気を読む力でありコミュニケーションスキルです。
その場の空気を察し、それに合わせて自分を上手に主張できるというのがコミュニケーションです。
また、相手の心情を察し、相手の話したいことや思っていることを引き出してあげる。
そういったことができる人は、他者から魅力的に映るものです。