ハミルトン不安評価尺度(HARS)とは?
ハミルトン不安評価尺度とは、不安障害の重症度を評価します。
「Hamilton Anxiety Rating Scale」の頭文字を取り「HARS」と表記されます。
「Hamilton Anxiety Scale」で「HAS」や「HAMーA」とする場合もありますが、いずれも同じもの指します。
ちなみに「HAMーD」あるいは「HAMD」は「Hamilton Depression Scale」、ハミルトンうつ病評価尺度でありこれは別物です。
HARSは、不安障害に関する評価方法の1つです。
解説
位置付け
日本めまい平衡医学会の論文において、不安障害およびパニック障害の評価方法がいくつか挙げられています。
不安障害の評価方法は様々ありますが、このうち不安の程度を総合的にスクリーニングできるものがMASやSTAI、HARSなどです。
HARSの特徴
HARSは全般不安症や社会不安症、パニック症などを評価することができます。
強迫症や解離症、変換症は評価対象に含みません。
実施時間は(質問項目を医師が読み上げる関係で)20分から30分程度となっています。
HARSは14項目で構成され、それぞれを0から4点(つまり5段階)で評価していきます。
項目の内訳は、精神症状項目が6つ(不安気分、緊張、恐怖、不眠、認知の変化、抑うつ気分)、身体症状項目7つ(筋肉系症状、感覚系症状、心血管系症状、呼吸器症状、胃腸症状、生殖器・尿路系症状、自立神経症状)、面接時の行動の項目1つの計14項目となっています。
HARSの注意点
HARSは評価者間一致度が低いことが指摘されています。
つまり同じ人に対して評価を行っても、実施者によって結果にブレが比較的見られるということです。
このためインタビューマニュアルが作成されるなど、評価者間一致度の向上が図られています。
また、HARSの実施においては過去1週間の平均重症度を評価する、(日内変動を考慮し)評価は同じ時間帯に行う、(バイアスを避けるため)以前の評価は参照しないなどがポイントとして挙げられます。
参考資料
井上幸紀(2025)『シリーズ教育講座「めまい診療に有用な自覚的評価指標」 5.不安,パニック症』(一般社団法人 日本めまい平衡医学会)2025年9月15日閲覧


