詳しくとか、難しくはいろんなサイトで書かれているので、
ここではできるだけ簡単にICFについて書きます。
1. ICFとは
ICFとは障害を持った人を支援する際の考え方の枠組みって感じです。
ICFは「International Classification of Functioning, disability and Health」の頭文字をざっくりとったもの。
ICFで普通に「アイシーエフ」と読みます。
ICFは日本語では国際生活機能分類と言います。
2. 生活機能と背景因子
ICFはWHO(世界保健機関)によって2001年に採択されました。
ICFにおいては、
【健康状態(変調または病気)】
↓↑
【心身機能・身体構造】
【活動】
【参加】
↓↑
【個人因子】
【環境因子】
というように各種項目があってそれぞれが関係し合っていると考えます。
で、これらの項目にそれぞれ合った支援をしましょうということ。
以下、具体的に見ていきましょう。
3. 具体例
例えば自閉症のお子さんがいたと仮定しましょう。
ICFで考えると例えば、
【健康状態(変調または病気)】
・自閉症スペクトラム障害
↓↑
【心身機能・身体構造】
・聴覚過敏
【活動】
・集団活動への困難さ
【参加】
・学校の教室に入れない
↓↑
【個人因子】
環境音に耐えられない場合、周囲に伝えず一人で教室を飛び出してしまう
【環境因子】
個別の配慮がなく、みんなと一律の対応しかしていない
こんな感じがあるかもしれません。
で、これらに改善策を考えると、
【健康状態(変調または病気)】
・自閉症スペクトラム障害
→医師による適切な診断や助言
↓↑
【心身機能・身体構造】
・聴覚過敏
→リハビリスタッフによる適切な評価
→本人への理解の促し
【活動】
・集団活動への困難さ
→イヤーマフなど道具の検討
【参加】
・学校の教室に入れない
→イヤーマフなど道具の検討
→座席位置の検討
↓↑
【個人因子】
環境音に耐えられない場合、周囲に伝えず一人で教室を飛び出してしまう
→言葉でまず伝えることの練習
【環境因子】
個別の配慮がなく、みんなと一律の対応しかしていない
→教員の、聴覚過敏に関する理解
と例えばこんな感じ。
もちろん状況は1つではないし、答えも1つではありません。
4. まとめ
ってことでICFは具体的な検査や手技というよりは、考え方といった感じです。
障害のあるお子さんは場合によっては社会生活の中で「生きにくさ」を感じていて、その「生きにくさ」の背景にはどんなものがあるのかを考えることで適切な支援ができるわけですね。
5. その他の記事
ICD-10とDSM-5の違いは?ICD-10とDSM-5どっちがいいか?
6. 参考資料
『ICFについて』(文部科学省)2018年6月27日検索
『「国際生活機能分類-国際障害分類改訂版-」(日本語版)の厚生労働省ホームページ掲載について』(厚生労働省)2018年6月27日検索