いじめの内容・特徴
いじめの内容や性質は、子供の年齢・時期によって異なります。
子供の心の発達、精神的な成長に伴い、いじめの構造や複雑さも変化していくからです。
もちろんいじめの実態は多種多様で個別に考える必要がありますが、そのためには一般的ないじめの特徴を理解することも重要でしょう。
以下、年齢別にいじめの特徴を見ていきます。
概要
小学校低学年期(6~9歳頃)
6~9歳頃に起こるいじめは、単純な善悪評価によるいじめであることが特徴的です。
つまり些細なきっかけで特定の子を「悪者」と決めつけ、それを正すような意識でいじめを行います。
まだ複雑で強固な集団いじめは成立しにくい時期とも言えます。
例えば集団で申し合わせて数日間一人の子を無視し続けるといった集団的ないじめは成立しにくい発達段階となっています。
ギャングエイジ期(9,10~11歳頃)
ギャングエイジの時期に相当する9~11歳頃は、集団いじめが本格化してくる時期でもあります。
子供同士の出来事を大人に報告するいわゆる「チクリ」が嫌悪されるのもこの時期です。(つまり「チクリ」をした子がいじめの標的になってしまいがちです)
ギャングエイジの時期は子供同士の仲間意識・集団意識が高まっていきます。これによりそのグループにおける「仲間の掟」のようなものができあがっていきます。
前思春期(11~14歳頃)
前思春期である11~14歳の時期のいじめは、似た者同士の集団における隠れたいじめが特徴的です。
つまり大人の目には届かないいわゆる地下組織的なものへとなっていきます。
「いい子」や「優等生」に対するいじめが活発になってくるのもこの時期です。
詳細
参考資料
丸山真名美(1999)『思春期の心理的特徴と「いじめ」の関係』(心理科学研究会)2024年3月8日閲覧
楠凡之(1997)『少年期のいじめ問題の発生機序と教育指導 : 自我・社会性発達の観点から』(心理科学研究会)2024年4月28日閲覧