11~14歳のいじめの要因
前思春期のいじめには、友達集団が階層化され関係性が過度に希薄・濃密であることが関係していると考えられます。
仲の良いグループができる一方で他のグループとの交流が希薄であり、それが各グループの風通しの悪さを生み出していきます。
また思春期に伴う精神的な不安や戸惑いが、いじめという間違った方向に向いてしまう場合もあるでしょう。
解説
友人関係の二極化
友人関係が「表面的で希薄なもの」と「濃密で支配的なもの」の二極化している側面が、現代では考えられます。
集団活動の経験や機会が減り、友達グループがなんでも「同じ」を求める支配的な集団になってしまうと窮屈さが生まれます。
このような関係性からいじめにつながる場合が考えられるでしょう。
階層化と格差
階層化や格差がそれぞれの集団をより孤立させたものにしている可能性もあります。
ここで言う階層化・格差とは、家庭の経済状況だけでなく、親の学歴や子供の学力といったものも含みます。
例えるならば、クラス(教室)という海の中に子供達の仲良しグループという複数の島がある状態です。
階層化・格差が広がることは、島ごとの行き来の難しさにつながり、子供達はそれぞれの島でしか関係性を築けないようになっていきます。
階層化と格差
家庭や学校に自分の居場所を持てないことが、いじめという間違った方向に発散される可能性もあります。
これには思春期に伴う不安や心の揺れも関係してくるでしょう。
グループのリーダー格になることで自分の価値や居場所のようなものを見出し、それを守るために友達を支配したり異質な子を排除したりしようとするかもしれません。
前思春期(11~14歳頃)の発達といじめの解説
参考資料
丸山真名美(1999)『思春期の心理的特徴と「いじめ」の関係』(心理科学研究会)2024年3月8日閲覧
楠凡之(1997)『少年期のいじめ問題の発生機序と教育指導 : 自我・社会性発達の観点から』(心理科学研究会)2024年4月28日閲覧