意味記憶とは?
意味記憶とは、知識に関する記憶のことです。
思い出や経験ではなく、その人が学んだ知識や社会のルールが意味記憶に該当します。
解説
意味記憶の位置づけ
記憶は様々な分類の仕方があります。
記憶を「覚えておける時間の長さ」で分けた場合は長期記憶や短期記憶といった分類があります。
記憶を「覚えている内容」で分けた場合、陳述記憶や非陳述記憶があります。
意味記憶は陳述記憶の1つです。
意味記憶はその人が経験を重ねる中で得た知識や物事の解釈の仕方などが当てはまります。
意味記憶の特徴
意味記憶はその内容自体は記憶しているものの、その記憶をいつどこで覚えたかは忘れている場合が多いです。
また意味記憶は通常、同じ経験の積み重ねの中で形成されていきます。
例えば私達は「車の速度は道路にある速度制限標識に従わないといけない」ということを知っていますが、それを具体的にいつ・どこで知ったかは忘れている人がほとんどでしょう。
もちろん車の免許を取る際に教習所で習ったでしょうが、それ以前になんとなく知っていて、その知識はどこで得たのか今一つ思い出せないといった状況ではないでしょうか。
このように意味記憶はそれ自体は覚えていてもその過程や文脈は忘れていることが多いです。
意味記憶の例
意味記憶は物事の知識や関係性、社会のルールなどが該当します。
その人が世の中を把握し解釈し秩序だった考えをする上で必要な記憶とも言えます。
例としては以下のようなものがあります。
- 交通ルール
- 家電の操作方法
- 職場でのマナーや暗黙の了解
- ご祝儀・香典の相場
- 受験勉強で覚えたこと
- 家の住所
- 色の名前
陳述記憶とは?
記憶の分類の一覧
参考資料
『実行機能の初期発達,脳内機構およびその支援』(心理学評論刊行会)2021年11月6日検索
『ワーキングメモリトレーニングと流動性知能』(日本心理学会)2022年8月6日検索
『記憶とその障害』(一般社団法人 日本高次脳機能障害学会)2022年8月15日閲覧