IQ(知能指数)が1年前と同じであるということ
医療機関や教育機関で行われる知能検査の場合、IQは偏差知能指数(DIQ)を指すことが多く、これは同年齢の集団の中での位置を表します。
このため例えば幼児期に知能検査を行い1年後に再度行いIQの値が同じであった場合、概略としては1年間で1年分の成長をしたと考えることができます。
IQが以前と同じだから子供がまったく成長していないというわけではありません。
解説
偏差知能指数(DIQ)とは?
偏差知能指数(DIQ)は同年齢の集団の中での位置を表します。
つまり10歳の人が受ければ、その人が10歳の人達の中でどのくらいの位置にあるかがわかります。
これは同時に、偏差知能指数では年齢が違う人同士で数値を比較することは有意義でないことがわかります。
DIQに対して「精神年齢÷生活年齢×100」で求める従来のIQは古典的IQとしばしば言われます。
現在公的機関で行われる知能検査はDIQを求めるものが多く、このため一般にIQと呼ばれるものはDIQを指す場合が多いと言えるでしょう。
IQが変わっていないということ
例えば5歳の子が6歳になるまでに1年分の成長をしたとします。
このとき、当然ながら周りの5歳の子供達も個人差はあるでしょうが大なり小なり成長します。
周囲が1年分成長する中で自分も1年分成長すれば、集団内での位置は変化がないと言えます。
偏差知能指数(DIQ)が変化していないということは集団内での位置が変わっていないということであり、本人の発達が変化していないとは限りません。
このようにIQの経過を見る場合は数字の上下だけでなくその中身となる本人の変化を知ることが大切と言えます。
同集団内での位置を客観的に把握しつつ、その子自身の成長に目を向けてあげることが良いサポートにつながるでしょう。
参考資料
『知能指数 / IQ』(e-ヘルスネット 厚生労働省)2021年12月25日検索