知能指数(IQ)は変化するのか?
人間の能力のひとつに知能があり、知能の程度を示す値の一つに知能指数(IQ)があります。
IQとは生まれ持ったものなのでしょうか?
IQは変化するものなのでしょうか?
IQが高い人は高いまま、低い人は低いままなのでしょうか?
努力で上がるものなのでしょうか?
怠けると下がるものなのでしょうか?
個人差はあるのであくまで一般論ですが、
IQはプラスマイナス15ほどなら変化する可能性があるのではと考えられます。
IQは生まれ持ったものなのか?
IQは人によって異なります。
IQが高い人もいれば低い人もいます。
ではIQの違いは遺伝なのでしょうか環境なのでしょうか?
答えはその両方と考えられています。
生まれ持ったものと育ってきた環境の両方が人のIQに影響するという説が現在は比較的みられます。
また、時期によってIQの意味合いは異なってきます。
一般的に、幼児期のIQは変動しやすい傾向があると考えられています。
TOEICなど様々なテストを開発しているアメリカの機関、エデュケーショナル・テスティング・サービスに所属しているロナルド・ロック氏によると、
IQをより正確に出したいなら小学校3年生、早くても2年生以降と述べています。
つまり個人のIQの値が安定してくるのは9歳前後であることが予想できます。
このことから、「IQは変化するのか?」という問いの答えはその人の年齢によっても異なることがわかります。
幼い頃であれば変化する可能性が比較的考えられますし、大人になるにつれてその変化の可能性は少なくなっていくことが予想できます。
IQは変化するのか?
1960年代に北カリフォルニアで行われたカルヴィン・エドランド氏の実験によると、
知能検査の問題のご褒美としてチョコレートをあげながら検査を実施すると、ご褒美を使わなかったときよりIQが平均12ポイント上がったそうです。
このように、IQはその人の集中力や工夫である程度変化が見られる可能性があると考えられます。
一方、教育学において有名な取り組みである「ペリー就学前プロジェクト」によると、
教育面に介入して上がった子供達のIQは、その介入をやめてから4年経つと介入前のIQに戻ったそうです。
これを踏まえると、
IQは一旦上がったとしてもそれが一生続くかと言えばそうとは限らないことがわかります。
まとめ
人間の能力は多様であり、IQだけでその人の能力が決まるわけではありません。
またIQが高ければ幸せなのかというとそうとも限らないでしょう。
結局のところIQは人の様々な能力を示す値の1つでしかないと言えます。
その人が幸せになるために、どんな能力が必要なのか。
これは人によりますし、絶対的な答えを人類はまだ出せていません。
このためIQというものも1つの目安程度に捉える姿勢が大切でしょう。
そしてIQとは別の能力を鍛えることも重要です。
集中して問題に取り組む姿勢、
集中を長時間続ける忍耐力
最後まであきらめずに課題に取り組む力。
人生全体として見るとこれらの能力の方が大切な場面もあるでしょう。
先述のように、ご褒美をあげた場合とあげなかった場合で知能検査を実施した実験が海外にあります。
このとき、ご褒美をあげることで一時的にIQが上がった子がいました。
しかしこの実験の大切な教訓は、
ご褒美がないと頑張れない子とご褒美がなくても頑張れる子がいるということでもあると思います。
社会に出ると、目先にすぐにはご褒美はなく、長期的に物事を頑張らないといけないときが多々あります。
そのときに踏ん張れるかどうかはその人の人生を左右するでしょう。
ご褒美のために頑張れるのは悪いことではありません。
しかし常に本気で物事に取り組める人間とパフォーマンスにムラのある人間では同じ能力でも人からの評価は変わってくるでしょう。
IQが上がるのは悪いことではありません。
しかし良くも悪くもIQの値はある程度変化します。
その上がり下がりが激しい人と安定した人。
どちらが結果を残せるかは意見が分かれるところでしょう。
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