人間の能力の一つに知能があります。
知能の程度を知る目安の一つに知能指数(IQ)があります。
知能検査において、
IQが高いということは、知能が高いということです。
IQが低いということは、知能が低いということです。
知能が積極的に活用される場の一つとして小学校があります。
本格的に「勉強」に取り組む最初の場所です。
知能=IQとはちょっと違います。
IQはあくまで知能を知る目安に過ぎません。
ではIQは学校現場でどのくらい役立つのでしょう?
IQが高いと学校の勉強の成績も高いのでしょうか?
IQが低いと勉強についてけないのでしょうか?
補足記事:知能指数(IQ)とは?
【IQの基本的なこと】
まずIQはどの検査で測るかで同じ値でも意味が違ってきます。
ここでは一般的な知能検査であるウェクスラー式という検査を参考に考えてみます。
IQの平均は100です。
100を平均とし、
70未満:知的障害の可能性あり
70~85:グレーゾーン
85~100:中の下
100~115:中の上
115~130:すごい
130~:稀
といったイメージです。
数値はあくまで目安で、解釈は人によって±5くらいはあると思ってください。
全体の7割弱の人がIQ85~115の値に該当します。
【学校の勉強についていけない】
「学校の勉強についていけない」というのもいろいろな定義があります。
私立の名門小学校で中の下の成績が、勉強についていけているのかどうかというのは親の価値観にもよります。
定義がバラバラだと話が成り立ちませんので、
ここでは「学校の勉強についていけない」というのを、
ごく一般的な公立の小学校で「前の授業の内容がわからないまま次の内容も理解できず雪だるま方式にわからないことが増え、収集がつかなくなった状態。しかもそのような状況の子がクラスで他にほとんどいない状態」
として話を進めていきます。
【勉強を左右するもの】
勉強のできは知能だけでは決まりません。
授業を真面目に受ける姿勢や意欲的に考える姿勢、難しい問題でも諦めずに取り組むことなど知能以外の能力が必要になります。
これらさまざまな要因のバランスは後ほど書きます。
まずはIQ単独で勉強の影響を見てみましょう。
【IQから考えられること】
先ほど書いた通り、IQ70未満は知的障害の可能性が出てきます。IQ85以下でもグレーゾーンです。
グレーゾーンとは平均域の可能性もあるが知的障害の可能性も捨てきれない要観察状態のことです。
これらから、学校の勉強をこなしていく上ではIQが85より高いか低いかが一つのポイントになってきます。
【でも実際は】
IQで85以上の数値が出れば統計上は平均域かそれ以上の知能があると考えられます。
でも実際はIQが86や87くらいあれば学校の勉強は安心かというとそうでもありません。
理由は2つあります。
1つはIQには誤差があること。
2つ目はIQ以上に学校生活には大切なことがあるということです。
【IQには誤差がある】
誰だって調子が良いとき悪いときがあるでしょう。
やる気が出るとき出ないときがあるでしょう。
様々なひらめきが出るときもあれば、
ちょっと考えれば気づけそうなことにも気づけない不調なときもあります。
IQ検査には誤差があります。
相手が子供ならなおさらです。
【IQより大切なこと】
学校生活を送る上でIQよりも大切な能力があります。
非認知スキル、ソーシャルスキル、自制心、生きる力、忍耐力、生活態度など言われ方はいろいろあります。
要するに勉強や知能検査では測れない別の要因です。
集団行動をきちんととれるか。
友人関係をつくれているか。
授業にきちんと参加できるか。
ルールを守ることができるか。
自発的に行動できるか。
IQよりもそれ以外の能力のほうが学校生活には強く影響します。
【IQだけ見ない】
IQはひとつの情報でしかありません。
学校生活を考えるなら、IQと合わせてその子の生活の状況を見なければなりません。
IQがどれだけ高くても集団生活が成立しなければ学校生活は送れません。