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児童用社会的スキル尺度とは?
「児童用社会的スキル尺度」とは、小学生(児童)の社会的スキルを客観的に評価する尺度の1つです。
社会的スキル領域25項目、問題行動領域12項目、計37項目で構成されています。
解説
概要
児童用社会的スキル尺度は、各項目について子供の様子を教師が記入していく「教師による評定法」になります。
社会的スキル領域の質問項目は5つの因子に分類され、合計25項目。
問題行動領域の質問項目は2つの因子に分類され、合計12項目。
合わせて37項目の質問に対して教師が評価していきます。
評価方法
児童用社会的スキル尺度は、各項目について教師が5段階評価を行います。
- 全くみられない(1点)
- 少しみられる(2点)
- 時々みられる(3点)
- よくみられる(4点)
- 非常によくみられる(5点)
上記のような配点となっており、その子の合計得点と同学年の平均点を照らし合わせることで、その子の社会的スキルを客観的に評価することができます。
メリット
児童用社会的スキル尺度は社会的スキルという漠然としたスキルを簡便に客観的に評価できる点がメリットと言えます。
これにより得た評価は、ソーシャルスキルトレーニングの方向性のヒントとなるでしょう。
また、児童用社会的スキル尺度に限った話ではありませんが、教師による評定法のメリットは以下のようなものもあります。
- スクリーニングとして有効である。
- 経済的・時間的に効率的である。
- 幅広い項目を定量化できる。
- 治療の際の結果測定にも副次的に利用できる。
児童用社会的スキル尺度は社会的スキル領域を5つの因子、問題行動領域を2つの因子でとらえています。
その子のどの項目が得意・苦手かを見ることで、より具体的なソーシャルスキルトレーニングが行えるでしょう。
以下、児童用社会的スキル尺度の因子を見ていきます。
児童用社会的スキル尺度の因子
社会的スキル領域
働きかけ
学業
自己コントロール
仲間強化
規律性
問題行動領域
外面化行動問題
内面化行動問題
参考資料
磯部美良(2006)『児童用社会的スキル尺度教師評定版の作成』(一般社団法人 日本認知・行動療法学会)2024年12月31日閲覧