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助詞の獲得と自動詞・他動詞の関係
前回のページで可逆文・非可逆文について見てきました。
このページでは動詞の性質についてもう少し詳しく見ていきます。
例えば「男の子が座る」という文は、「男の子を座る」とすると不自然です。
一方で、「男の子が起きる」という文は「男の子を起きる」とすると不自然ですが、「男の子を起こす」とすれば成立するでしょう。
このように、動詞によっては少しの変化で助詞の入れ替えに対応できるものと、そうでないものがあります。
つまり子供が助詞を用いる場合、どのような動詞を使った文かで難易度が変わってくるでしょう。
この点を見てきます。
解説
自動詞と他動詞
(国語の知識は深堀すると煩雑なので、ここでは例外を承知でかなり端折って見ていきます)
動詞には、自動詞と他動詞があります。
主に主語に付いて「~が」「~に」などのあとに続くのが自動詞です。
主に目的語について「~を」のあとに続くのが他動詞です。
例えば「始まる」は自動詞で、「始める」は他動詞です。
「授業が始まる」(自動詞を使った文)
「授業を始める」(他動詞を使った文)
端的に言うと、自動詞は「を」が付くと文が不自然になります。
「授業を始まる」という文は不自然でしょう。
ペアの有無
動詞には、自動詞・他動詞がペアで存在するものと、片方しかないものがあります。
ペアで存在するものは例えば「始まる・始める」などです。(有対自動詞・有対他動詞)
自動詞しかないものは「走る」などです。(無対自動詞)
他動詞しかないものは「叩く」などです。(無対他動詞)
例えばペアが存在する動詞は、状況によってそれを使い分け、適切な助詞を組み合わせる必要があります。
ペアが存在しない動詞は、そういった使い分けの判断が不要になります。
このような点から、動詞が自動詞なのか他動詞なのか、ペアがあるのかないのかは助詞の難易度に影響します。
助詞理解に際した文の特性
ここまでで、助詞の難易度には文の構造が可逆文・非可逆文か、用いる動詞が自動詞・他動詞かなどが影響することがわかりました。
次のページから、可逆文・非可逆文、自動詞・他動詞の組み合わせとその性質を見ていきます。
参考資料
斉藤佐和子(2002)『健常幼児の格助詞と態の表出 ―構文検査 (斉藤私案) を使用して―』(日本音声言語医学会)2025年12月28日閲覧
池弘子(1982)『助詞の習得過程』(一般社団法人 日本教育心理学会)2025年12月31日閲覧



