助数詞の理解の評価
「助数詞」とは1個・1匹など、数の後ろに付いてその性質を表す単位のことです。
子供の助数詞の理解の評価方法の1つとして、「エラー検出法」による評価が挙げられます。
エラー検出法とは、(助数詞の評価に限らず)文字通り問題の中から誤り(エラー)を被験者に見つけてもらう方法です。
解説
子供の助数詞理解に関する研究
日本発達心理学会の論文に、幼児の数助詞の理解について研究したものがあります。
この研究では定型発達の幼児を対象に、エラー検出法にて数助詞の理解を観察しています。
助数詞の評価におけるエラー検出法の概要としては、パペット(ぬいぐるみ)が言った助数詞が正しいかどうかを子供に判断してもらうという内容です。
エラー検出法の手続き
助数詞の評価におけるエラー検出法では、パペットが誤った数助詞の使用をしたときに子供がそれを指摘できるかを見ていきます。
実際の問題では、1種類の助数詞につき3種類の絵カードを提示し、それぞれパペットが呼称します。
例えば「匹」という数助詞に対して「犬」「猿」「アリ」などの絵カードを用意します。
この3枚のうち、1枚は正しく、2枚は誤った助数詞を用いて、子供がそれを正しく指摘できるかを見ます。
例えば「犬→1匹」「猿→1人」「アリ→1台」などです。(この場合1つ目は正しく、2,3つ目は誤用となります)
誤り2種類は、1つは存在論カテゴリーを超えないもの、もう1つは超えるものにします。
つまり「猿→1人」というのは誤った助数詞の使用ではありますが、「動物」というカテゴリーは共通しています。これに対し「アリ→1台」は非動物の助数詞を用いています。
エラー検出法の評価内容
実際の問題は下記のようなものが採用されています。
括弧内がパペットが提示した助数詞です。(正しい数助詞・カテゴリーを超えない誤用・カテゴリーを超える誤用)
- 人:警察官(人)、看護師(頭)、赤ちゃん(枚)
- 匹:犬(匹)、猿(人)、アリ(台)
- 頭:象(頭)、熊(匹)、ライオン(本)
- 本:鉛筆(本)、スプーン(台)、細い木(匹)
- 枚:折り紙(枚)、トースト(本)、ビスケット(頭)
- 台:乗用車(台)、トラック(枚)、パトカー(人)
言葉の発達から見る助数詞
参考資料
佐藤賢輔、針生悦子(2006)『幼児における助数詞の理解 : 存在論的カテゴリーに注目して』(一般社団法人 日本発達心理学会)2024年9月28日閲覧