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助数詞の指導方法
「助数詞」とは1個・1匹など、数の後ろに付いてその性質を表す単位のことです。
子供に助数詞を指導する場合、まずはカテゴリーが大きく異なるもの(動物・非動物など)で助数詞の使い分けを学ぶと有意義でしょう。
また助数詞を学習する場合は、カテゴリーと助数詞が一致するものから学ぶほうが覚えやすいと考えられます。
解説
存在論的区別と助数詞の関連
助数詞の獲得過程において、存在論的カテゴリーを超える場合のほうが誤用に子供は気づきやすいと考えられます。
つまり「1匹」と数えることが正しい犬を、「1人」と間違うことはあっても「1個」と間違うことは比して少ないということです。
これを踏まえると、例えば「人」「匹」「頭」といったいずれも生き物に使う助数詞の使い分けを学習するよりも、先に「匹」「枚」など動物・非動物といったカテゴリーが明らかに異なるものを学ぶほうがわかりやすいと考えられます。
カテゴリーと助数詞の一致
指導する助数詞はできるだけ既知のカテゴリーと一致するものからのほうが学びやすいでしょう。
例えば「人(にん)」という助数詞は「人(ひと)」に付く助数詞です。
これに対し、「頭(とう)」は動物に用いる助数詞ですが動物に使わない場合もあります。(象は「1頭」かもしれませんが、ネズミは「1匹」であり全てに適用できません)
このため「人」などのほうが「頭」よりも理解しやすい助数詞と考えられます。
また、カテゴリーと助数詞を結び付けると学習しやすいということを考えれば、そもそもカテゴリーの理解をしっかり行うことも助数詞の理解につながるでしょう。
初期に学びやすい助数詞
子供が初期に学びやすい助数詞としては、「個」「回」「つ」、「人」「台」「匹」「枚」「本」「頭」などが挙げられます。
これらについてエラー検出法などでその子の理解を評価し、学びやすいものから取り入れていくと有意義でしょう。
言葉の発達から見る助数詞
参考資料
佐藤賢輔、針生悦子(2006)『幼児における助数詞の理解 : 存在論的カテゴリーに注目して』(一般社団法人 日本発達心理学会)2024年9月28日閲覧