受動態がわかるのは何歳から?
「~された」といった受動態を使った表現が理解できるのは何歳頃からなのでしょう。
子供の言葉の発達には個人差があるため一概には言えませんが、目安としては
受動態を理解し表現できるのは5~6歳頃です。
解説
能動態と受動態
一般的に「~した」という表現を能動態、「~された」といった受け身の表現を受動態と言います。
「太郎君が叩いた」
「太郎君が叩かれた」
これらは似た文章ですが、意味は大きく異なります。これらの文章の違いを生み出しているのが能動態と受動態の違いです。
幼児期において能動態・受動態の理解と使い分けは大切な言語発達の1つです。
例えば保育園であったことを話してもらうとき、「太郎君が叩いた」のか「太郎君が叩かれた」のか言えることは大切です。
このように受動態の理解は出来事の細かな説明や理解において必要不可欠です。
受動態がわかる時期
子供の発達を見る検査に、認知・言語促進プログラム(NCプログラム)というものがあります。
子供の発達を言葉や運動など幅広く、しかし要点を押さえて評価できるツールです。
上記によると受動態の理解はおよそ5歳頃の発達と位置付けられています。
受動態を理解しするとは、受動態の表現を聞いたときにその内容がわかるということです。
「太郎君が叩いた」
「太郎君が叩かれた」
といった2種類の絵があって、どちらかを大人が言った場合に正しく選択できることを意味します。
また、言語発達検査であるLCスケールを参考にすると、
能動態と受動態の表現を使い分ける力は6歳前半頃の言語発達と位置付けられています。
この頃になると自分から受動態を活用した表現を行うことができるでしょう。
例えば猫が魚を食べている絵を見たときに、
「猫が魚を食べる」
「魚が猫に食べられる」
どちらの表現も言えることを意味します。
このように能動態と受動態の変換能力は幼児期終盤、就学直後での習得が目安となるかもしれません。