KABC-Ⅱとは?
KABC-Ⅱとは、知能検査であるK-ABCの改訂版になります。
KABC-Ⅱはカウフマン夫妻によって開発されました。
「継時処理」や「同時処理」といった観点から知能を見る点が特徴的です。
継時処理とは物事を1つずつ処理していく認知処理過程です。
同時処理とは、物事をある程度同時に進めていく認知処理過程です。
KABC-Ⅱは専門機関でも比較的広く使用され、日本においてKABC-Ⅱは「WISC」と「田中ビネー」に並ぶ3大知能検査の1つと言えます。
解説
知能に関するKABC-Ⅱの理論
知能検査はその検査ごとに、人間の「知能」というものの解釈が異なります。
KABC-Ⅱは知能を「認知処理過程」と「習得度」という観点から測定します。
認知処理過程とは、情報に対する処理能力を指します。
習得度とは読み書き計算など習得する上で成り立つ能力を指します。
認知処理過程には、
・計画
・継時
・同時
・学習
の4つの下位項目で構成されます。
習得度は、
・語彙
・算数
・読み
・書き
の4つの下位項目で構成されます。
いずれにおいても旧来のK-ABCよりも拡大した内容になっています。
対象年齢や所要時間
KABC-Ⅱは主に机上で個別で行う知能検査であり、所要時間は1時間前後になります。
対象年齢は2歳6か月~18歳11か月です。
K-ABCの対象年齢は12歳まででしたので、KABC-Ⅱになって対象年齢が引き上がったことになります。
K-ABCとKABC-Ⅱの違い
K-ABCがKABC-Ⅱに改訂されるに伴い、以下のような違いがあります。
- 適応年齢の上限が12歳から18歳になった。
- 認知処理の焦点が「継次、同時、計画、学習」と拡大した。
- 習得度が「語彙、読み、書き、算数」と拡大した。
参考資料
『発達障害者支援とアセスメントに関するガイドライン』(国立障害者リハビリテーションセンター)2021年3月15日検索