過大汎用とは?
過大汎用とは、1つの言葉を様々な概念に用いる幼児期の言葉の傾向を指します。
過大汎用は「かだいはんよう」と読みます。
具体的には、「まんま」という言葉を「ご飯」にも「パン」にも使ったりする様子です。
他にも「わんわん」という言葉を犬だけでなく猫にも使ったりする様子も過大汎用と言えます。
過大汎用は子供の言葉が発達する中で見られる自然な経過です。
解説
過大汎用は何歳頃?
一般的には過大汎用は1歳頃から見られます。
個人差はありますが、子供は1歳前後から言葉が出始めます。
言葉の出始めの時期は、語彙の増加は非常にゆっくりです。
この言葉は出始めたけれどまだ少ない時期に過大汎用が見られます。
そして1歳半から2歳くらいからそれまでとは比べ物にならないペースでの語彙の増加が見られます。
この爆発的に語彙が増加する現象を専門的にはボキャブラリースパートと言うこともあります。
言葉が増えていく中で次第に子供は言葉を使い分けるようになり、それと並行して過大汎用も徐々に減っていきます。
過大汎用は悪いことか?
過大汎用は言語発達過程で見られる自然な過程であり、悪いものではありません。
過大汎用をする子供の言葉を訂正するべきかどうかは状況にもよります。
少なくとも逐一修正したり叱る必要はありません。
正しい言葉を教えることも大切ですが、それ以上に「共感」をして言葉を交わす楽しさを感じてもらうほうが大切です。
子供が猫を見て「わんわん」と言ったときに、「あれは猫(ニャンニャン)よ。猫って言いなさい」とするのではなく、「そうねぇ。ニャンニャンいたねぇ。可愛いね~」と、共感する中でそれとなく言葉を呈示してみるといいでしょう。
参考資料
『感覚器の成長・発達』(バイオメカニズム学会)2021年8月3日検索
『0歳児の言語習得と四肢運動の発達』(バイオメカニズム学会)2021年8月11日検索
『前言語期の音声発達』(日本音声言語医学会)2021年8月13日検索