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拡散的思考とは?
拡散的思考とは、問題解決において型にはまらない発想をできる力のことです。
多面的な視点で物事を考える創造的な思考力が試されます。
拡散的思考に関する課題の成績と、性格因子における「開放性」のスコアには有意な相関があります。
拡散的思考を見る課題としては、言葉の関連性を見つける課題や物の用途をできるだけたくさん挙げる課題などがあります。
解説
拡散的思考を見るテスト・問題の例
言葉の関連性を見つける課題
一見無関係に見える3つの言葉について、関連性を見つけていきます。
例えば「みかん」「祭り」「休み」。
これはどれも「夏」という単語が付くという共通点があります。
物の用途をできるだけたくさん挙げる課題
物の用途を柔軟に思い浮かべてもらいます。
例えば「鉛筆」。
「字を書く」はすぐに思いつくでしょう。
他には、「(六角形なら)サイコロの代わりにする」「たくさんの本数を準備してジェンガのように積んで遊ぶ」などがあるでしょう。
拡散的思考は後述する「開放性」のスコアを関連があります。
また開放性スコアが高い人は低い人に比べ、この課題でより多くの用途を出せるだけでなく、その用途が普通ではないアイディアである傾向があります。
開放性とは?
性格分析において比較的有名な手法に「ビッグファイブ」という理論があります。
ビッグファイブは人の性格を5つの要素で考えます。
その5つとは以下のようなものになります。
- N:神経質傾向(Neuroticism)
- E:外向性(Extraversion)
- O:開放性(Openness to Experience)
- C:誠実性(Conscientiousness)
- A:調和性(Agreeableness)
開放性はこれら5因子の中でも比較的定義が難しい因子と言わています。
新たな経験や刺激を求める「外向性」とも異なりますが、知的な経験を求めることは開放性も関連します。
開放性は知的な活動に関わりますが、「開放性=知能」ではありません。
研究では、開放性のスコアは文化的・芸術的活動の関りを予測することがわかっています。
開放性は、アイディアや知的好奇心、創造性といったクリエイティブな知性に関連すると考えられます。
参考資料
ダニエル・ネトル(Daniel Nettle)(著)、竹内 和世(翻訳)『パーソナリティを科学する―特性5因子であなたがわかる』白揚社、2009年