「髪切った?」というのは雑談おける決まり文句の一つですね。
この「髪切った?」というのは言うタイミングが意外と難しい。
特に昨今は下手するとセクハラにとられかねないワードです。
「髪切った?」という言葉が言われるとなぜ嬉しいのでしょう?
嬉しいと言わないまでも、言ってくれた人の印象が良くうつるのはなぜでしょう?
単純に髪を切ったことに気づいたということではなく、
髪を切ったことにも気づいてくれるほど、「わたし」のこと気にかけてくれているということが嬉しいのです。
これを逆に考えると、
気にかけてほしくない人に「髪切った?」と言われても嬉しくないということです。
このように考えると、「髪切った?」という言葉から学べることは2つのことです。
ひとつは、
髪を切ったことに気づくことが大事なのではなく、髪を切ったことに気づけるような相手に関心を持つ姿勢が大切であること。
もう一つは、
相手に関心を持つ行為、些細な変化に気づける行為も、相手との関係性ができていなければ単純に気持ち悪い行為でしかない。
つまり「髪切った?」という言葉は相手に好印象を持ってもらえる可能性がありますが、髪を切ったかどうか気づくことが目的になっても意味がないのです。
自然に髪を切ったか気づけるような関係であり、それを口に出しても自然な関係でいることが大切なのです。
「髪切った?」という言葉が自然に出てくる関係というのは、
何気ないくだらないことでも話していい関係のことです。
初対面の人との会話では、何を話していいかわからないということがあります。
初対面の人と会話がしにくいのは、何を話していいかわからないからです。
会話には真剣に話すものからくだらない話題まで様々です。
仕事の話や真剣な話だけでなく、プライベートな話やくだらない話もできるのが良い人間関係です。
「こんなくだらない話をしたら怒られるかも」と思われると、相手からしたら話しにくいものです。
「髪切った?」に対して、「だから?」と言われると思うと言いにくいものです。
そもそも「髪切った?」にオチなんてありません。
オチのない話を話せるのは、相手が話しやすいからです。
オチのない話をどれだけできるかが、どれだけ話しやすい雰囲気かを表しています。
オチのない話がどれだけできるかというのは互いの親密さのためには重要です。
オチのない話はコミュニケーションの潤滑剤です。
あくまでコミュニケーションをスムーズにすることが目的の話なのです。
オチのない話は適度に返しながら深くは掘り下げない。
愛想良く返して次の話題を展開していく。
そうやって会話を実のあるものにしていくのがオチのない話の役割です。
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