心理学

-

管理職に協調性は必要か?|性格の心理学

公開日:2024年1月29日


 
 

管理職に協調性は必要か?

 管理職としての成功において、性格因子の調和性のスコアはネガティブな予測要素となっています。

 つまり管理職として成功している人ほど調和性が低いことを意味しています。

 
 
 

解説

調和性とは?

 性格分析において、5つの因子で人の性格を考える理論をビッグファイブと言います。

 ビッグファイブの5因子は神経質傾向・外向性・開放性・誠実性・調和性を指します。

 このうち調和性は、人を信用したり利他的な行動に充実感を感じたり、他者との対立を避けるような傾向に関連します。

 つまり他者との協調性に関わる因子と言えるでしょう。

 そしてパーソナリティとキャリアの関係を調べた研究によると、調和性が低い人のほうが高い人よりも管理職として成功している傾向があります。

 
 

調和性と管理職としての成功

 40代の企業管理職約4000人を対象にした調査によると、調和性のスコアは管理職としての成功のネガティブな予測要素になったそうです。

 つまり調和性が高い人ほど管理職としては花開いてないことが予測できたと言えます。

 ここで言う管理職としての成功とは、収入・昇進度・社長になる可能性などいずれも含みます。

 一見すると社員とコミュニケーションを丁寧に取り協調性のある人のほうが出世しそうな気がします。
 しかし実際は少々サイコパスでもビジネスを推し進められる人の方が成果を出せるということでしょうか。

 もちろん、調和性が高いことは悪いことではありません。

 調和性の高さは良い社会関係という意味では利点があります。
 しかしビジネスにおける個人の成功という観点では必ずしもメリットになるとは言い切れず、時としてコストになるということでしょう。

 
 
 

ビッグ・ファイブ理論とは?

 
 
 

参考資料

ダニエル・ネトル(Daniel Nettle)(著)、竹内 和世(翻訳)『パーソナリティを科学する―特性5因子であなたがわかる』白揚社、2009年
 

-心理学
-

テキストのコピーはできません。