数の三項関係とは?
数の三項関係とは、「具体物」「数詞」「数字」の3つの関係性の結びつきのことです。
数概念を理解し、足し算や引き算を行うためには、この数の三項関係が大切な枠組みになります。
「数の三項関係」は数概念に関するものであり、言葉やコミュニケーションの発達における「三項関係」とは別物です。
以下、「数の三項関係」について述べ、その後に言葉やコミュニケーションの発達に関する三項関係にも触れていきます。
解説
数の三項関係の三項とは?
「数の三項関係」おける三項とは、冒頭で述べた通り「具体物」「数詞」「数字」です。
「具体物」の概念は数の「量」を表します。
例えば「3」という数が表す物は「●●●」という3つの物であるということです。
「数詞」の概念は主に数の順番や音を表します。
「1」は「イチ」と読み、「1」の次は「2(ニ)」です。そして「2(ニ)」の次は「3(サン)」であるという概念です。
「数字」の概念は文字であり視覚的な概念を表します。
2つの数は「2」と書き、3つの数は「3」と書くということです。
なお、数の三項関係は文献によっては「量・数詞・数字」など若干異なった語句で示されることもありますが、いずれも意図は同じものです。
数の三項関係の意義
数の三項関係の確立は、子供の算数の力に影響します。
近年、小学校では「さくらんぼ計算」などで数を合成・分解する過程をより丁寧に学びます。
「7」が「2」と「5」であるとスムーズにわかると、「8+7」が「15」であるということが指を折って数えるより速くわかります。
数を合成・分解できるということは、数の三項関係において「数詞」や「数字」が「具体物(量)」ときちんと結びついているということです。
このように、数の三項関係の確立は、算数が本格的に始まる小学校低学年において特に注目したい概念になります。
また、数の三項関係は細かくは以下のような段階を踏んで獲得されていきます。
数の三項関係の発達過程
言語発達の三項関係
参考資料
『小学1年生における計算学習の現状と課題 : 1年生の算数指導に関わった経験のある教員への質問紙調査と1年生への調査を通して』(植草学園短期大学)2022年6月3日検索
『数表記・数詞・具体物の三項関係に関する論考』(京都女子大学)2022年06月03日検索