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こだわりが強いが故に自分が苦しんでしまうとき

公開日:2017年10月16日

こだわりが強すぎる人、切り替えができない人というものは周りの人を振り回してしまうことが多いです。

しかしその一方で、こだわりが強いと自分自身も苦しい思いをすることもあります。

こだわりの強さ、切り替えの弱さが自分自身を縛ってしまう。

そんな人達の役に立つかはわかりませんが、
こだわりの強さを緩和する物の考え方を考えます。
 
 
 

人間は不合理である

 
心理学の実験でこういうものがあります。

被験者が見たことないような人名の一覧を提示し、この中で人柄が良さそうな人を選んでもらうというものです。

このとき、被験者は無意識に読みやす漢字や言いやすい発音の名前、あるいは知っている人の名前に似ている名前を選ぶ傾向が強かったそうです。

漢字の読みやすさも発音のしやすさも、既知の名前に似ているかどうかも、本来その人物の人柄には関係のない物事です。

少し合理的に考えればわかるはずなのに、それでも被験者はこのような傾向を示してしまいます。

人間というのは合理的に判断しているように見えて、実は無意識に不合理な判断をしていてそれに気づいていません。
人間というものはそんなもんなのです。

あなたがどれだけ合理的に判断したつもりでも、そこには不合理な無意識が入り込んでいます。

あなたのこだわりも理屈も、どこかに不合理な要素が含まれています。

あなたの決断はあなたがこだわりぬいたものではなく、あなたの無意識に「動かされて」「決めさせられた」ものと考えることもできます。
 
 
 

てきとうなアンカー

 
例えばトヨタの車に長年乗っている人は他のメーカーの車を購入することにためらいます。

他のメーカーは性能が悪い。ディーラーが不親切。デザインがいまいち。

その人なりに理由はいろいろありますが、結局は自分のこだわりでしかありません。

街中ではいろんなメーカーの車がたくさんすでに走っているわけで、実際にはどのメーカーでもなるようになるわけです。

じゃあその人がなぜトヨタにこだわるのかと言えば
「今までそうしてきたから」という習慣の問題でしかありません。

親から譲り受けた車がたまたまトヨタだった。
初めて入ったディーラーがトヨタだった。
カタログをたまたま持っていた。

はじめにトヨタに乗っていたからトヨタが基準になる。

このように物事を判断する際に基準になる地点を心理学ではアンカーと言います。
アンカーは物事をわかりやすく即座に判断するときに役立ちます。

人はいろんな物事にそれぞれのアンカーを持っていて、アンカーより質が下がる決断やアンカーから大きく変化する決断をすることをためらいます。

ではそのアンカーがどのように生まれるかというと案外てきとうなもので、
身近な人に言われたとかたまたま身近にあったとかだったりします。
「それ」がアンカーになった根拠というのはそこまで理に叶っていないことがほとんどです。

てきとうに決まったアンカーを基準にその後の様々な判断を人はするわけですからまさに不合理ですね。
 
 
 

こだわらないという行為

 
結局のところ人のこだわりや判断なんて大したことない。
そんな風に考えると別に何を選んでも深刻なことにはならないし意外と困ることもないということがわかります。

何かにこだわるということを全て否定するわけではありませんが、
こだわらないという行為が時として視野を広くしたり人を幸せにすることもあるのです。
 
 
 
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