阿部寛さん主演の連続ドラマ、「結婚できない男」から空気の読み方やコミュニケーションの取り方を学びます。
今日は第3話「好きにお金を使って悪いか!!」を題材に。
1. 「好きにお金を使って悪いか!!」(第3話)のあらすじ
分譲マンションを親戚の好意で借りているみちる。
しかし月々の家賃の支払いしか頭になく、修繕費などの費用の支払いを親戚に言われるまでまったく手つかず。
結果、急な支払に四苦八苦することに。
次第にはスナックでバイトまでする始末。
心配する周囲の人々。
それに感化され桑野もみちるにお金を貸して力になろうとするが、余計な一言が災いしてみちるを怒らせてしまう。
後ほど早坂がフォローをして事なきを得る。
その他、
桑野の母である育代が早坂の病院にわざと扇子を忘れて早坂と息子の会う機会を作ろうとしたり、
栄治の浮気未遂がみちると沙織にばれたり、
早坂と沢崎摩耶がモデルルームで偶然会ったり。
2. 照れくささと、相手への気遣い
お金を貸すというのは難しいものです。
お金は食べ物でも服でもいろんな物が買えます。
いろんな物に変えられるから、
とりあえずお金を渡すと相手の何かしらの力になれます。
でも、人間関係を良好に維持する上では、お金で人助けをするってとても難易度が高いことです。
誰しもが、
「ただお金を渡す人」にはなりたくないものです。
「ただお金を恵んでもらう人」にもなりたくないものです。
だから人は、
お金を貸すときはそれらしい理由をつけたり、
お金を返すときは手紙やプレゼントを一緒にしたり、
できるだけお金の貸し借りをしないようにしたりします。
桑野もそれはわかっていました。
全く知らない者同士ではないけれど、大金を気軽に貸すほどみちると親しい間柄でないことをは自覚しています。
でも、困っているみちるを見て、
さりげなく力になってあげたいなと思うわけです。
でも、いつものように「余計な一言」が出るわけですね。
「客も我慢してんだろ」
「その金受け取れば客も君も我慢しなくて済むんだろ」
「こっちもいいことして気持ちいいしね」
いずれのセリフも、
相手に親切にする照れくささと、
気にせず好意を受け取ってほしいという相手への気遣い
が背景にあるわけです。
3. 桑野はどうすればよかったのか?
先述の通り、お金の問題で人の力になるというのは難しいものです。
桑野は「困っているところは見たくない」ということも言いました。
これは悪くない一言です。
これにもう少しつけ足して、
「困っているところは見たくない」
「だから必要ならお金を貸すから困ったときは言って」
と、まずは純粋に自分の気持ちを伝えても良かったのかも知れません。
また、桑野とみちるは大金を貸し借りするほど親しい距離とはまだ言い難い件は、
「この前(第1話)も倒れたときは世話になったし」
など、みちるの力になりたいと思うに至った経緯を伝えることで不自然さが緩和されるのかもしれません。
4. まとめ
人間関係の距離感というのは難しものです。
距離を縮めていくことは難しいですし、
自分が仲良くなったと思っても相手はそう思ってなかったり、その逆だったりすることは多々あります。
けれど、人間関係の距離感で1つ言えることは、
距離は段階的に縮めていくということです。
そのためには1つ1つの過程を共有していくことが大切です。
桑野はみちるにお金を貸して力になりたいと思いました。
その背景にはただの隣人だったみちるが、救急車の一件や周囲の人を介した関わりを通じて距離感が短く感じ始めたからです。
相手に伝わりにくい表現をするのではなくて、
自分にとってみちるがただの隣人ではなくて、困っていたら力になってあげたい人だと素直に伝えることができたらよかったのでしょう。