会話上手は聞き上手。
会話はおもしろい話をするよりも、相手の話を上手く聞くほうが弾みますし、結果としてあなたと相手のコミュニケーションは上手くいきます。
相手の話を上手に聞く上で大切なのはいかに相手を真似るか。
今日は会話における真似の技術を考えます。
会話においてあなたが話す内容も重要ですが、同じくらい会話のリズムも大切です。
相手の会話のリズムに合わせることが重要です。
早口の人、ゆっくりの人、どんどん単語が出てくる人、一つずつ考えながら話す人。呼吸が浅い人、深い人。
人にはそれぞれ会話やコミュニケーションにリズムがあり、そのリズムに合わせることでテンポが良い弾んだ会話ができます。
これは方言が同じ人同士が会話しやすことと関連しています。
会話のリズムだけでなく、
声のトーンも合わせると効果的です。
まったく同じ声を出せというわけではありません。
声のトーンを少し真似るだけでも会話の呼吸が合っていきます。
会話のリズムにせよ声のトーンにせよ、結局は相手の言動をある程度真似することが効果的であるということです。
これは心理学用語でミラーリングと言われ、人は自分と似ている言動の人には親近感を覚えるのです。
相手の会話やコミュニケーションの特徴をとらえ、それを真似することで相手はあなたに親近感を覚え話しやすいと認識してくれます。
会話においてオウム返しは効果的です。
相手の会話を繰り返すことで、相手は「話を聞いてもらっている」という手ごたえを感じることができます。
しかしオウム返しをそっくりそのまま繰り返すと勘違いしてしまう人がいます。
不自然なほどのオウム返しは逆に会話を聞いてもらっていないと思われます。
A「最近パンケーキにはまってて」
B「最近パンケーキにはまってて」
A「駅前にすごくおいしいお店があるの」
B「駅前にすごくおいしいお店があるの」
これじゃあAさんをバカにしているようですね。
会話におけるオウム返しとは、相手の表現や語彙を部分的に使っていくことに近いです。
A「最近パンケーキにはまってて」
B「パンケーキにはまってるんだね」
A「駅前にすごくおいしいお店があるの」
B「駅前に?」
A「そうそう。でもとっても人気でいつも混んでるんだよ」
B「へぇ、人気でいつも混んでるんだね」
オウム返しのすごいところは、こちらから話題を提供していないのに会話が弾んでいくことです。
相手の言葉を部分的に繰り返しているだけなのに、相手の話題が促されテンポの良い会話が進んでいきます。
「会話を繰り返すだけ」と聞くとオウム返しは簡単に聞こえます。しかし実際は違います。
相手の言葉のどの部分をチョイスして繰り返すかはある程度のセンスが必要で、それらは実際の会話の中で磨いていく必要があります。
聞き上手になるために、オウム返しの技術を磨くことはとても有意義です。
【参考文献】
『プロカウンセラーの聞く技術 話す技術』マルコ社、2012年