ワーキングメモリ

記憶と記銘の違い|簡単にわかりやすく解説

公開日:2022年9月16日


 
 

記憶と記銘の違いは?

 「記銘」→「保持」→「想起」という認知過程を「記憶」と言います。

 つまり「記銘」とは「思い出す」ことを含まない覚えるだけの過程であり、「記憶」はこれらを含む総合的な概念であることがわかります。

 ただし記憶の定義や分類は研究者や学問の分野によって微妙に異なる場合もあります。

 
 
 

解説

記憶とは?

 記憶とは何かを覚えて思い出すことです。

 もう少し専門的に表現すると、

 記憶とは、自己の経験が保存され、後に意識や好意の中に想起・再現されることです。

 記憶は「現象」と解釈する場合もありますが、「認知機能」と解釈する場合もあります。
 また、単にその人の脳や心に蓄えられた「情報」を「記憶」とする場合もあります。

 いずれにせよ解釈が研究者によって微妙に異なるということです。

 記憶を認知機能ととらえた場合、その過程は冒頭で述べた「記銘」→「保持」→「想起」ということになります。

 
 

記銘・保持・想起とは?

 「記銘」とは、新しい情報を覚える力を指します。

 記銘力が高ければ、一度にたくさんの情報とらえることができます。

 「保持」とは、その情報を忘れないようにキープする力です。

 保持する力が高ければ、記銘した情報をより長い時間忘れずに頭の中にキープすることができるでしょう。

 「想起」とは、これらの情報を思い出す力です。

 想起の力が高ければ、スムーズに情報を記憶の引き出しから出すことができます。

 よく「ここまで出てるけれど思い出せない」というシチュエーションがありますが、これは想起に時間がかかっていると言えます。

 私達は一旦覚えた情報を常に頭の中で思い浮かべているわけではありません。

 一旦覚えた情報を意識の外にやり、必要な時に再び取り出します。
 こうすることで効率的に脳を使っています。

 
 
 

参考資料

『実行機能の初期発達,脳内機構およびその支援』(心理学評論刊行会)2021年11月6日検索

『ワーキングメモリトレーニングと流動性知能』(日本心理学会)2022年8月6日検索

『記憶とその障害』(一般社団法人 日本高次脳機能障害学会)2022年8月15日閲覧

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