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基数・序数の理解の発達段階
基数的構造と序数的構造を相互に調整できることは、数概念の理解を深める上で重要です。
この、基数から序数を導く力、序数から基数を導く力の発達には段階があり、下記のような3段階が考えられます。
- 相互に導くことができない段階
- 直感的調整の段階
- 基数化と順序づけの対応ができる段階
以下、それぞれ見ていきます。
解説
相互に導くことができない段階
基数から序数を導くことも、序数から基数を導くこともできない段階です。
この段階では例えば「あなたは50段ある階段の23段目にいます。あなたは階段を何段登ったでしょう?」といった序数・基数の両方の概念が必要な問題は解くことは難しいでしょう。
上記は、序数から基数を導き出す問題の一例と言えます。
これに対し、基数から序数を導き出す問題は例えば以下のようなものがあります。
「サンドイッチを作ります。パン・卵・パン・卵・パンの順番で重ねていこうと思います。全部で卵は3回使いました。では、5番目に重なっているのは何でしょうか?」
このような問題も基数・序数の調整ができない子には難しいでしょう。
ちなみにこの問題の答えは、
パン・卵・パン・卵・パン・卵・パン
サンドイッチはこのようになっているので5番目はパンとなります。
直感的調整の段階
基数的構造と序数的構造の調整が始まる時期です。
この時期は、基数と序数の関係性の理解に芽生えが見られますが、まだ不十分な段階です。
系列全体がないと理解することが難しく、同じ基数と順位は必ず対応しているということがまだわかっていない状態です。
基数化と順序づけの対応ができる段階
基数と序数の関係性が細部まで理解できる段階です。
基数から序数、序数から基数を導き出すことができるようになります。
個別の解説
基数とは?
序数とは?
参考資料
伊藤朋子、椎名乾平(2013)『デザインと心理学の架け橋』(心理学評論刊行会)2024年10月26日閲覧