学校現場での吃音の配慮
吃音のある子に対して学校側の配慮としては「言葉の先取りをしない」「話し終えるまでゆっくり待つ」などが考えられます。
また音読場面において誰かと一緒に朗読すること(斉読)なども方法論として有効です。
解説
吃音のある子に対して配慮が必要な場面
吃音がある子が苦労し、そのため配慮が最も必要な場面は朗読(音読)や発表の場面です。
特に朗読は言葉を言い換えることができないため吃音を避けることができません。
この状態で周囲が自身に注目している状況は、本人にとって大きな負担と言えます。
このほか学校生活で配慮が必要なシチュエーションとしては日直の号令や新年度の自己紹介、返事などがあります。
吃音のある人が感じる負担
朗読や発表場面で吃音がある人が感じる悩み、例えば
「言葉が詰まって笑われる」
「言葉が詰まっていると漢字が読めないと誤解される」
「周りは読めて当たり前だから、頑張って読んでも褒められない」
「(朗読は)言葉を替えることができず詰まる言葉を言わないといけない」
などが考えられるでしょう。
学校で考えれる支援方法
吃音のある子に対する、学校側の配慮としては以下のようなものが考えられます。
- 言葉の先取りをしない
- 話し終えるまでゆっくり待つ
- 他の子と区別しない
- 話し方よりも内容に注目する
- 斉読(誰かと一緒に朗読する)
- 「ゆっくり」「落ち着いて」などと言わない
- 吃音の調子が悪いときは当てない
- 手を挙げたときに当てる
特に上2つの「言葉の先取りをしない」「話し終えるまでゆっくり待つ」は大切です。
また、本人が望むのであれば斉読を取り入れることは有効なテクニックの1つでしょう。
これは吃音が内的なタイミングの障害であり、このため2人で声を合わせるときはどもらないという吃音の性質を利用した方法です。
補足記事
参考資料
『吃音』(ICD-10)2018年7月15日検索
『吃音症の遺伝学』(日本小児耳鼻咽喉科学会)2021年11月20日検索