吃音は自然治癒の例も見られますが、
薬の服用や一定期間のトレーニングで意図的に完全に治癒することはできないとされています。
吃音歴が長いと一見して吃音症状が軽減したように見れる時期もありますが、
単に言いにくい言葉を避けていたりそもそも話す場面を恐れて口数を減らしていたりすることもあります。
そのため本当に症状が減少しているのか判断は慎重にしなければなりません。
吃音はおおむね、生まれ持っての体質や遺伝によるものであり、親の育て方が直接的な原因ではないとされています。
では、一般的に治療方法がないとされる吃音に対して何をしたらいいのでしょう?
吃音の症状は主に4段階あります。
1段階
軽度の音を伸ばしたり繰り返しはあるものの、本人としては吃音を気にせず気楽に話せている状態。
2段階
音が止まったり、音を出すために体を動きが伴ったりする。
本人も吃音に対する自覚がある。
3段階
「どもるんじゃないか」という不安が芽生える。
言葉を言い換えて、言いにくい言葉を避ける。
4段階
精神状態としてはどもるのが怖い。
話すことや話す場面を積極的に避けてる。
吃音を完全に治すことはできません。
吃音に対してできることは、できるだけ軽度の段階を維持する。
あるいはできるだけ軽度の段階へと移行させるということです。
吃音を軽度に保つために必要なことは2つです。それは
・周囲の理解
・自分自身の精神状態の安定
です。
吃音に対しては様々なテクニックや知見がありますが、
どれも吃音を治すというよりは吃音をコントロールするためのものであったりします。
吃音を理解してくれる人が近くにいることは大切です。
これまで書いてきた通り、吃音は治そうと思って治るものではありません。
大切なのは、
吃音であっても話すことやコミュニケーションをとることを大切にすることです。
吃音を否定するのではなく、吃音とうまく付き合っていくことを考えることです
本人も同様に、吃音であることを否定するのではなくうまく付き合っていくという姿勢が大切です。
吃音には一般的に、「歌を歌うときはどもらない」など割と一定した傾向もあります。
そのため一時的にはどもらずにしゃべるテクニックなども存在します。
そのように吃音というもの自体を知りながら自分に自信をつけていく作業が必要になります。
漠然と吃音に対して不安や恐怖を感じるのではなく、
吃音のことを知り、折り合っていくことで精神を安定させることが大切です。