吃音は会話の流暢性が障害された状態です。
吃音者によっては、うまく話そうとするが故に見られる工夫症状があります。
工夫をすることで音の繰り返しや途切れを軽減したり避けることが可能です。
しかし工夫することが常に望ましいかというとそうではありません。
言いにくい言葉を避け続けることは、
時として自分の本心とは別の言い方をしてしまったり他者とのコミュニケーションの機会を奪う可能性もあります。
吃音に対しては本来、
少々どもったとしても気楽に何気なく思ったことを話せる状況が望ましいとされます。
「どもってはいけない」と工夫ばかり考えると逆にストレスがたまり吃状況が悪化してしまう可能性があるからです。
吃症状に対する「工夫」は一長一短なので、その必要性と程度を見極めながら会話を楽しんでいきましょう。
拍子(リズム)をつける、一旦話をやめてしきりなおすなどです。
吃音の工夫には
吃音が起こらないようにする事前の工夫と
吃音が起こってからそれを早く終わらせるための事後の工夫があります。
解除反応は事後の工夫に該当します。
意図的に声の高さや速度に変化をつけたり語句を繰り返したりして事前に吃音症状が起きないようにする症状です。
意図的であるというのがポイントです。
意図的でない場合はそれらは工夫ではなく単に吃音症状です。
考えているふりをする。遠回しの表現をする。間をあけるなどです。
そうやってから目的の言葉を促します。
結局目的の言葉が出なかった場合は延期ではなく後述する回避(Av)にあたります。
わからないふりをする。他の単語で代用する。身振り手振りで代用する。
そうやって目的の言葉を避ける行為です。
特に「わからないふりをする」など自分の本心と異なる表現になってしまうのは望ましくありません。