子供との会話の参考になれば幸いです。
「死ぬ」ってどういうこと?
「死ぬ」ということはどういうことなのでしょう?
「死ぬ」ということは、体がやっていることができなくなることです。
体がやっていることとというのは、
例えば目で物を見ること。耳で音を聞くこと。
口で食べ物を食べること。足で歩くこと。
頭で考えることも、体がやっていることです。
死ぬということは、生き返らないということです。
例えば人は寝ても、いつかは起きます。
死ぬと二度と生き返ることはありません。
生き返らない状態になることが、死ぬということです。
死ぬことは、誰にでも訪れます。
誰でもいつかは死んでしまうのです。
人はなかなか、自分が死ぬことを想像できないものです。
けれど人は誰でもいつかは死ぬし、自分が死ぬのがいつかはわからないことが多いです。
だから命を大切にし、今生きていることを感謝することはとっても大切なことです。
親御さんへ
「死ぬ」あるいは「生きる」というのは抽象的な概念です。
抽象的な概念は言葉にしにくく、子供に説明しにくいものです。
生死の概念を理解するのはおおむね6~8歳頃と言われています。
「死ぬ」という概念を理解するとは具体的にどういうことなのか。
発達心理学的には、以下の3つのことを理解できて「死の概念を理解している」と捉えることができます。
その3つとはつまり
死とは体の機能が停止すること。
死んだ者は生き返らないということ。
死は誰にでも訪れるということ。
この「体の機能の停止」「非可逆性」「普遍性」が死の特徴と言えます。
また、死の概念と切っても切り離せないのが「生まれ変わり思想」です。
人は死ぬと天国に行く。
誰かに生まれ変わる。
花や雲になって私達を見守ってくれている。
こういった「死んだ人が何かしらの形で存在している」と考えるのは自然なことです。
日本は宗教がない国と言われます。
けれど実際は、仏教の考えが根付いている国でもあります。
道端に転がっている石とお墓はどちらも石です。
しかし道端の石と墓石を同じように扱える人は少ないでしょう。
日本人は宗教がない国なのではなく、宗教を個人が自覚しにくい国です。
「科学的に証明されていないから、死んでも人は生まれ変わらない」と言う子供の方が生まれ変わりを信じている子供より発達が進んでいるわけではありません。
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参考資料
『子どもの死の概念』(J-STAGE)2018年9月15日検索