子供の発達の状況がどうなのか。
親なら誰でも気になるところです。
小児発達に関わる仕事に就いている人なら誰でも気になるところです。
【個人差がある子供の発達】
個人差が大きい子供の発達についての情報は本当に様々でどれを信じていいのか悩むばかりです。
2歳で文章を話す子もいれば、2歳まで言葉が出なかったけれど今はすらすら話しますなんて子もいます。
【子供の発達はどう見ればいいのか?】
子供の発達を見るときに一番目に思い浮かぶのが、年齢や月齢に沿った発達と比べる方法でしょう。
「一般的に2歳の子は○○ができる。2歳のこの子は実際どうか?」といった具合です。
そしてこの方法で必ず問題になるのが個人差をどう捉えるかでしょう。
一般的な発達の経過と比べたとき、
その子の状況が個人差の範囲なのか明らかな遅れなのか。
得意なだけなのか異常な速さなのか。
そのあたりの判断が難しくかつ重要になってきます。
【原則1:傾向を捉える】
「○○歳で○○ができる」といった情報はたくさんありますが、いずれんせよ一つの項目・一つの年代だけで判断してはいけません。
例えば1歳というのは一般的に単語が出始める時期です。
しかし1歳で単語が出ないからといってその子の発達が即「遅れている」とは判断できません。
1歳というのは単語が出始める時期ですが、同時に立ちあがったりなぐり書きをする時期です。
また「ちょうだい」「おいで」など簡単な言葉かけを理解し応じてくれる時期でもあります。
その時期にできるとされるたくさんのことのうちどのくらいができてできないのか。
全体を見る必要があります。
またその子の発達を見るときにその年代の発達だけを見てはいけません。
例えば1歳の子の発達を見るなら、1歳相当のことをどれだけできるかはもちろんですが、
0歳相当のことはできているのか。2歳相当のことでできていることはあるのか。
これらを見ることも大切です。
○○歳に相当することができているか。この項目をできるだけたくさん見ることを横の広がりとするなら、
○○歳前後の年齢相当のことをどれだけできてできないのかを見るのは縦の広がりです。
子供の発達はこの横と縦を広くまたがって見ていく必要があります。
そして一つ一つの項目に一喜一憂せず総合的に見て傾向を捉えることが大切です。
【原則2:統計を見る】
○○歳で○○ができるという解釈は対象のデータがどういうものかで意味合いが変わってきます。
例えば100人中99人の子供ができたことと、
100人中51人ができたことは違います。
どちらもできたほうが多数派ですが、それができなかったということの意味は変わってくるでしょう。
そんなときに役立つのが統計処理です。
統計処理がされた発達検査ですとその子がその項目をできる・できないだけでなく、それが何を意味するのかがわかります。
統計処理がされた発達検査で一番耳にするのはIQなのではないでしょうか。
つまり知能検査です。
補足記事:知能指数(IQ)とは?
種類にもよりますが、知能検査は基本は統計処理がされた検査です。
統計処理された発達検査はそのお子さんの発達状況を客観的に知るのに役立ちます。
補足記事:小児発達まとめ