子供の寝顔を見るたびに、生まれたばかりのあなたを思い出す。
どんなに大きくなっても、
あなたが生まれた日を昨日のことのように覚えている。
大きくなったあなたの寝顔は、どこか生まれたばかりの頃の面影を残している。
あなたにはわからないかもしれない。
けれど親には、その面影がわかる。親ってそういうもの。
あなたが成長する中で、私は年老いていく。
月日が流れていく中で、あなたが成長していくと考えると、年をとることも悪くない。
生まれたばかりのあなたは、少し横に寝かせただけですぐ泣く。ほんの少しでもベッドに寝てくれたらと、腱鞘炎になりそうな腕であなたを抱きながら思う日々が始まったのもあなたが生まれてから。
けれどいつしか、あなたを抱く日々は終わってしまう。
あなたは大きくなって、私は年老いていくのだから。
そう思うと急にさみしくなる。
私にできることはなんだろうと考える。
けれど、どれだけ時間があってもきっと足りないのだろう。
あなたをどんなに抱いても、どんなに一緒に過ごしても、「もう足りた」なんて思えないのでしょう。
大人になると、時間が経つのが早く感じる。
子供が生まれてから、なおさら時間が早く感じる。
あなたも私も歳をとる。
あなたの成長を通して、時間が流れたことを感じる。
あなたの成長を10回くらい感じると、1回くらい自分の老いを感じる。その繰り返し。同じ時間を過ごしているのに、あなたの変化のほうがたくさん目にする。
子供が生まれて、自分が歳を重ねることに対する受け取り方が変わった気がする。私も人の親になったんだなあと思う。
あなたの寝顔が大好きで、あなたが寝ているときにたくさんキスをした。
何回キスをしたか、何回頬ずりをしたかわからない。
それがまるで当たり前のようになって、慣れてしまった頃に、「この子も大きくなるからそろそろキスはやめないとな」と考えだすのだろう。
抱っこもキスも、それが当たり前のようになった頃に終わりが見え始める。子育てはそういうことが多い。
夢中にさせるだけさせておいて、いつもやめさせられるのは子供のタイミング。
だからこの今を大切にしないとなあと思う。
そう思ったところで、今のこの腕の筋肉痛がなくなるわけではないのだけれど。
あなたが眠って、ベッドに降ろして、かわいい寝顔を見ていると、ついつい横で抱きしめながら一緒に寝たくなる。たぶんそういうことをするとすぐに起きてしまうのだろうけれど。
あなたの横で眠りたいと思いながら、私はあなたが寝ている間に家事を済ませている。