子供の権利と法律
子供というのは人生において特別な時期で、法律や社会制度においても大人と異なる様々な例外があります。
12歳、つまり小学生までは親が子供に教育を受けさせる義務を負いますが、
中学生以降はそれに加えて、お子さん自身が働いたり法的に意思決定する権利が段階的に広がってきます。
今日は年齢別の子供の権利や法律を見ていきます。
年齢別の子供に関する主な法律
以下、年齢別の子供の権利や法律を。
3歳
- 幼稚園に入学することができる
幼稚園は文部科学省、保育園は厚生労働省が所管となります。
子供を通わせるという意味では同じですが、幼稚園はあくまで教育の場であるということです。
6歳
- 親は小学校に入学させる義務を負う
子供が小学校に通う義務ではなく、親が小学校に入学させる義務を負うというのがポイントです。
12歳
- 親は中学校に入学させる義務を負う
小学校と同様ですね。
また、13歳未満の子供にわいせつな行為をした場合、本人の同意があったとしても強制わいせつ罪が成立します。
13歳
- 労働が軽易な職業について労働に就くことができる
ただし修学時間以外であり、労働基準監督署署長の許可が必要です。
ここで言う仕事とは映画やドラマの子役など非常に限られた職種だけです。
そのため現実的にはまだまだ仕事ができる年齢とは言い難い時期です。
14歳
- 犯罪を行った場合に処罰される
年齢を重ねる中で様々な自由を得られる一方で、社会に対する責任も生まれてきます。
15歳
- 自分の意思で普通養子になれる
- 自分の意思で遺言できる
- 労働に就くことができる
一定の危険あるいは有害な業務は除きます。
労働時間や深夜労働についても制限や禁止内容があります。
自分の意思が社会的・法的に効力が増してくる時期ですね。
16歳
- 女性は父母の同意を得て結婚することができる
- 普通二輪免許、原付免許を受けることができる
女性が一足先に結婚が可能になります。
18歳
- 男性は父母の同意を得て結婚することができる
- 選挙権が与えられる
- 児童福祉法などの適用がなくなる
- 特に制限なく、労働に就くことができる
- 普通自動車免許などを受けることができる
20歳
- 成年になる
- 父母の同意を得ないで結婚することができる
- 少年法の適用がなくなる
- 飲酒や喫煙が許される
- 国民年金の加入義務が生じる
おわりに
選挙権が18歳に引き下げられたことは大人にとってまだまだ記憶に新しい出来事ですね。
時代が変われば価値観も変わります。
時代の変化に応じて法律も制度も変わっていきます。
子供達に関する法律も当然変わっていくでしょう。
いずれにせよ、
どの時代であっても子供達が夢をもって大人になっていける社会であってほしいものです。
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参考資料
細川幸一『大学生が知っておきたい生活のなかの法律』慶應義塾大学出版会、2016年